まだ10代だった2011年に、鬼軍曹として知られるフェリックス・マガト氏から「100年に1人の逸材」と称賛され、来月3日に27歳の誕生日を迎えるドルトムント所属マリオ・ゲッツェが、これまでのキャリアを振り返った。

ゲッツェは米国のスポーツ系ネットメディア「ザ・プレイヤーズ・トリビューン」に寄稿する形で自身のサッカー人生を語っており、「メディア(からの情報)を聞けば、僕は裏切り者から英雄になり、さらに失望を与える人間となって、(病気のため)一時サッカーから離れてしまった人物だね。しかもこれは全部、たった4年の間に起こった出来事なんだ」と記している。

同選手がドイツメディアから“英雄”と評されたのは、アルゼンチン代表と激突したブラジルW杯ファイナルで決勝点を決め、祖国を24年ぶりの戴冠へと導いたことに起因する。それについて当の本人は「おそらくあのゴールは100年後も人々に見てもらえるだろう」と前置きしながらも、「僕にとってポジティブな点は見当たらなかった。僕は主力選手ではなかったし、決勝の前の僕は『試合に出るチャンスはない』と、明らかに意気消沈していたから」と回想した。

また、この試合の後半43分に、ヨアヒム・レーウ監督がゲッツェをピッチに送り出す際、「お前がメッシより優れていることを世界中の人々に見せつけてやれ!」と伝えたことは有名な話。しかしこれに関してゲッツェは「実は(交代時にレーウ監督が自分に何を言っていたのか)よく聞こえなかったんだ。試合後の記者会見でレーウ監督が、僕に何を伝えたのかを明らかにしたことで、大々的にメディアに報じられるようになった。僕はすでにバイエルン・ミュンヘンで多くのプレッシャーにさらされていたが、その(メッシとの)比較は(交代時に仮に聞こえていたとしたら)ベストなものではなかっただろう。なぜなら僕は、まだあの時22歳という若さだったから」とコメントしている。