ベルギー1部のヘントFW久保裕也(23)がワールドクラスのゴールを決めた。

 ホームのメヘレン戦に先発すると、前半45分に誰もが驚くような独力突破からゴールを奪ってみせた。センターサークル付近でパスを受けると、縦へスピードに乗ったドリブルで2選手を抜き去り、さらにバイタルエリアで前方を塞ぐ3選手と対峙すると、スピードをいったん落としてフェイントを入れる。相手の足が止まったスキを逃さず、左へ右へと細かいタッチのドリブルで2選手の間をすり抜けてGKと1対1になると、右足インサイドキックでゴール右へと流し込んだ。

 3試合連続のゴール。1986年W杯メキシコ大会でのマラドーナの「5人抜き」を彷彿させる美しい得点。沸き返るホームスタジアムの中を久保は走り回り、喜びをあらわにした。久保のゴールシーンについて、ファンらがツイッターで「マジックだ」「ワールドクラスのゴール」「久保はメッシのようだ」という称賛の声が相次いだ。

 久保は1月にスイス1部ヤングボーイズから移籍して以降、7試合5得点と勢いは止まらず、チームもレギュラーシーズン最終戦を勝利で締めくくり4位に浮上。欧州チャンピオンズリーグ(CL)出場権がかかる、上位6チームによる「国内プレーオフ1」進出を決めた。

 フル出場した久保は試合後、興奮冷めやらぬ様子で取材に応じた。主な一問一答は次の通り。(エリーヌ・スウェーブルス通信員)

     ◇     ◇

-おめでとうございます

 「良かったです」

-自分の言葉でゴールシーンを教えて下さい

 「良い形で前を向けたので、仕掛けようと思って。あの状況でパッと?

ひらめいてというか。感覚でできたのが良かったかなと。仕掛けるのに考えずに自分で体が勝手に動いてやれたのが。あそこで考えすぎると、多分ごちゃごちゃしてしまうので」

-自分でどうにかするって前から言っていましたけど、その通りできた?

 「まあ、今日は真ん中だったので、慣れてるポジションだしやりやすかったのはありますね」

-やりたいようにやれた?

 「今日は結構プレッシャーの掛かった試合だったので、より自分の中でも仕掛けようという意識を持ってやりましたし。それが良い方にいったのかなと思います」

-プレッシャーの掛かる試合で固くなったりはなかった?

 「いや、それはそういうのはなく。とにかく勝ち点3を絶対に必要だったので。前に前に行くしかないっていうそういう気持ちでしたね。仕掛けるというか」

-抜いて最後のシュート、物凄い落ち着いてましたけど?

 「ああ、もう最後は冷静にキーパーの位置を見れたので、落ち着いて決めれました」