ヘタフェMF柴崎岳(25)がビルバオとの開幕戦に先発出場を果たし、後半28分まで73分間プレーした。

 2トップの右として前線で攻撃の起点となるプレーを求められたが、この日のヘタフェのチャンスはどちらもセットプレーからだった。4-4-2もしくは4-4-1-1のシステムを今回始めて使ったチームだが、組織だった守備を見せて勝ち点1を手にした。

 柴崎は戦前に予想されたトップ下ではなくFWモリーナと2トップを組む形のポジションでプレー。もともと体を張るタイプの選手ではないことから空中戦に勝利することには苦労したが、足元にボールが入った時には相手ゴールを打ち破るためのパスを散らすが、決定的な形を前半は作ることは出来なかった。

 後半も前半同様に前線でボールを収めて起点となる動きとゴールにつながるプレーを求められた柴崎は、同15分に右サイドに展開しカウンターの起点となったが、MFアルバロが退場となり10人になると右サイドの穴を埋め、同28分にMFセルヒオ・モラと交代した。

 試合はヨーロッパリーグ予備選を戦い中2日でヘタフェと対戦したビルバオが全体的にチャンスを作り出してた。だが、この試合最大のポイントは前半9分のヘタフェのセットプレー。ファジルのFKにホルへ・モリーナが合わせるとGKケパはゴールライン上でかき出した。映像を確認するとラインを割っていたものの主審のメレオ・ロペスはゴールを認めず、あらためてビデオ判定導入の必要性を感じさせる試合となった。

 対するビルバオはFWウィリアムスやMFムニアインが好機を迎えるが、ヘタフェの守護神GKグアイタが好守を見せゴールを許さなかった。

 スコアレスドローに終わり、ボルダラス・ヒメネス監督は「ゴールは明らかだったし、GKのプレーを邪魔するものではなかった。アクションは不公平なものだしこういった議論のアクションを明確にするためにテクノロジーがある」と納得のいかない様子だった。その一方で「勝ち点1をとれてリーガをスタートできたことは満足だ。しかも勝ち点を重ねるのが難しい、すでにコンディションが整っているチームからのものだから満足できる。前半は自分たちの方が決定的なチャンスはあったがアスレチック(ビルバオ)が上回っていた。試合をコントロールし、たたみかける攻撃をしてきた。後半は合格点が与えられるだけ動きをしてくれた」と冷静に振り返った。(山本孔一通信員)