ケルンがドルトムントとの再試合を要求したと、18日の独紙ビルトが報じた。

 同紙によると、17日にドルトムントに0-5で敗れたケルンが激高している。問題となったシーンはドルトムントの2点目。CKからのボールにドルトムントDFソクラティスがケルンDFハインツと空中戦で競り合いながら、ボールをキャッチしに行ったケルンGKホルンと交錯。こぼれ球をソクラティスがゴールに流し込んだが、主審のイトリッヒはボールがゴールラインを割る前に笛を吹き、1度はファウルを宣告。その後ビデオ判定を行い、ゴールを認めた。

 ケルンのスポーツディレクターのイェルク・シュマッケ氏はドイツサッカー協会に抗議文を出すと話していた。「主審は明らかにボールがゴールラインを割る前に笛を吹いていた。そのあとにゴールを認めることはできない。明らかなルール違反だ」と激怒。

 ハーフタイムにシュマッケ氏はテレビ局の中継車に駆け込んだという。「そこで映像を見た。状況は明らかだった。ドルトムントでの試合で0-1でハーフタイムに入るのと0-2で入るのとでは違いがある。私はビデオ判定に賛成派だが、ルールは守らなければ。第一にあれはビデオ判定をする必要があったシーンではなく、2つ目にはルール違反だ」とシュマッケ氏。

 元審判のトルステン・キンヘーファー氏は「ボールがゴールラインを割る前に笛が吹かれた場合は、試合はそこで中断となり、ゴールは認められない」と見解を示した。ゴールではなく、審判ボールでの再開が正しい判定だった。

 ケルンのペーター・シュテーガー監督も「抗議文についてはお互いにそう話し合った。ビデオ判定に関してルールは守られなければならないし、この件に関してはディスカッションされなければ。あの判定は間違っていたと思う」とコメント。

 一方でドルトムントのハンスヨアヒム・バッツケ代表取締役は「ケルンが抗議文を送るというならすればいい。どちらの判定も完全に正しいものだった。ホルンは(ソクラティスに)まったくコンタクトしてなかった。ボールが笛の時に数センチ、ラインの前だったかどうか? 全くお笑いだよ。ひどいルーザーだといわざるを得ない」と反論。チームマネジャーのミヒャエル・ツォルク氏は「抗議文はグロテスクで、さらにいえばお笑いだ」とコメントしたという。

 シュマッケ氏は「再試合が行われるいいチャンスがあるとみている」と語り、バッツケ氏は「やりすぎだろう。むしろそのあとのPKのシーンでハンドがレッドカードにならなかったことを喜べたはずだ。あれは明らかなゴールチャンスをつぶしたんだからね」と話していた。

 シュテーガー監督は「あれがなければ結果は違っていたというわけではない。だがビデオ判定に関して間違った解釈があった。将来的に何が起こりえて、何が起こり得てもいいのかをはっきりさせたいと思う」と付け加えていた。