スペイン2部クルトゥラル・レオネサに加入したMF井手口陽介(21)が、欧州デビューを飾った。アウェーのオサスナ戦で1-2の後半35分から出場。短い時間で攻守に存在感を発揮し、終了間際には激しいマークで警告を受けた。試合はそのまま敗れたが、気後れすることなくプレーした。W杯イヤーに海外挑戦したハリルジャパンの申し子が、第1歩を踏み出した。

 

 やはり井手口は強心臓だった。ベンチスタートから、後半35分にピッチに入った。欧州デビューで最初のプレーは、中盤から右サイドへのロングパス。いきなり敵地を沸かせると、同42分にペナルティーエリア外からミドルシュートを放った。これは相手DFに当たってしまったが、約10分間のプレーで井手口らしさ全開で存在感を示した。

 「スタジアムもすごく雰囲気が良かったし、日本にない雰囲気だった。少ししか出てないし、負けたけど、楽しい時間だった」

 ダブルボランチの一角で持ち味を発揮し、後半終了間際には最終ラインまで下がって相手をマークした。激しい守備で、警告をもらってしまった。それでも「守備の方を求められていると思うのでそこを表現しながら、攻撃はバランスを見ながらいける時にいけたらいい」と上々デビューを振り返った。

 ロシアW杯本番まであと5カ月。G大阪からイングランド2部リーズへの移籍を経てクルトゥラル・レオネサへ期限付き移籍し、武者修行となる。リオ五輪代表でもハリルジャパンでも、チーム最年少だったが、遠慮することはなかった。「このチームをもっと上の順位にいかせるため頑張って、自分がチームを引っ張るくらいの意思でやっていければいい」。頼もしい21歳は、まだ成長を続ける。【山本孔一通信員】