MF乾貴士(29)が所属するエイバルは0-0の引き分けに終わった。

 乾は2試合ぶりに先発出場し、後半33分までプレー。左サイドを主戦場に攻守のバランスをしっかりと取っていた。

 中盤の潰し合い、ハイボールが飛び交う展開から前半は攻撃以上に守備での貢献が目立った。前半10分、セットプレーでRソシエダードはショートからに組み立てを目指したがその狙いを潰したほか、ロスタイムにはサボることなく中央から左サイドへ流れ相手チームのクロスを阻止する。後半28分には2つの決定機を作るがわずかにチームメートとは合わずにゴールを奪うことは出来ず、同33分にMFオレジャーナと交代した。

 試合後は「僕たちの出来はチームとして悪くなかったと思いますし、しっかり守備もできたし、何度か危ないシーンはありましたけど、それはお互い様だったし、こちらにも何度かチャンスはありましたし、まぁ0-0で妥当な試合だったのかと思います」と話した。エイバルは11勝7分け12敗で10位につけている。

 試合後、乾は先週の代表ウイーク中、レスター岡崎、サウサンプトン吉田とバルセロナで会い、休暇を過ごしたという。その一方でしっかり日本代表戦2試合(マリ、ウクライナ)もチェック。自分のいない日本代表について、こう言及した。

 「入っていない俺が何か言うのもおかしいですけど。まぁ一番の収穫は(中島)翔哉が出たことだと思います。日本にとって翔哉が出てきたことが一番うれしかったのではないかと。もちろんライバルと言われればライバルですけど、自分より6歳7歳若いのにあれだけやっているのは能力や才能だと思うので、それは自分自身、昔から認めていますし。ここに来て海外でやって結果も出しているので、あの若さで出来ているというのは尊敬しますし、自分より上だと思っています」

 次節の相手ベティス。そのベティスは乾の新たな移籍先とスペインでうわさされているチームだ。意識するか? と問われた乾は「周りが騒いでいるだけなので。今はエイバルの一員としてやっていますし、移籍するしないにかかわらずしっかりやることやるだけなので。なんて言っていいのかな。俺には特にないです」と冷静にコメントした。

 シーズンも佳境に入り、生き残りをかけたワールドカップまで2カ月。スペインで確かな居場所を見つけている乾、その動向に注目が集まりそうだ。(山本孔一通信員)