パチューカMF本田圭佑(31)が本拠地でのサントス・ラグナ戦で2試合連続の先制ゴールを決めた。前半24分に左足で強烈な先制のミドル弾をねじ込み、同30分にはアシストを記録し3-1の勝利に貢献。日本代表西野朗新監督(63)就任後初の試合で、1得点1アシストとアピールした。8位以内が進むプレーオフ(PO)へ前進した。

 本田の前後期合わせた今季リーグ10点目は強烈だった。前半24分。後方からのパスをペナルティーアーク付近で受け、左足で豪快ミドル。この日のJリーグを視察せず「全部映像で」チェックすると話していた西野新監督も、声を漏らしたはず。直前の裏に走って受ける動きは、解任されたハリルホジッチ氏が求め続けたプレーだった。

 6分後にはセンターサークル付近からの超ロングスルーパスで、アギーレの得点をお膳立て。得点に絡む本田がけん引し、後期2位の相手から貴重な勝ち点3を奪った。これで今季公式戦は13得点8アシスト。数字は海外組でも群を抜く。

 西野新監督は就任会見で「中南米、メキシコのスケジュールは4月で終わる」と発言。本田の招集をほのめかし、日程を心配していた。POに進めなければパチューカの全日程は4月28日に終了する。だが、前節は2得点して大勝し、この日の勝利でPO圏内の暫定8位につけた。残り2試合の相手は下位。自らのゴールで、ロシアへのアピール機会を切り開きつつある。トーナメント方式のPO決勝まで進めばシーズン終了は5月20日まで延びる。

 アロンソ監督からは「まるで育成組織上がりの若手のように、貪欲にボールを奪いにいった」と姿勢を絶賛された。試合後コメントしなかった本田は、終了約4時間後にツイッターで米英仏3カ国によるシリアへの軍事攻撃について「何も出来ない自分がただむなしい。もっともっと成り上がって力つけます」とつぶやいた。