トルコ1部ベシクタシュのMF香川真司(29)が、29歳ラストマッチで移籍後2度目の先発出場を果たした。無得点に終わったものの後半45分までプレーし、2連勝に貢献。香川の加入後、チームは5勝2分けとなった。

ホームにギョズテペを迎え撃った一戦。香川は、これまで不動のトップ下だったセルビア代表MFリャイッチと初めて同時にスタメン起用され、リャイッチを左に回して堂々、トップ下に陣取った。

開始すぐの前半12分、元ブラジル代表DFアドリアーノが負傷退場するアクシデント。前バルセロナの左サイドバックは前節、香川の決勝点をお膳立てしていただけに痛い離脱となったが、その中で背番号23はターンや得意のワンタッチプレーで攻撃陣を操った。しかし「相手も非常にアグレッシブで、なかなかやりたいことができなかった。カウンターに手を焼いて思う通りいかなかった」と話した通り、相手の堅いブロックにスペースを消され、なかなかチャンスをつくれなかった。

前半は0-0で折り返したが、後半すぐ先制する。開始30秒、右MFクアレスマのクロスにFWユルマズが頭で合わせ、ゴールネットを揺らした。元ポルトガル代表の“魔術師”から、元トルコ代表のエースへピンポイントで通り、均衡を破った。香川も歓喜の山に飛び込んで喜びを分かち合った。

1点リードのまま迎えた後半25分には、ゴール正面の細かい連係から香川にパスが入る。迷わず左足を振ったが、DFの体に当たって、はね返された。38分にもリャイッチからパスを預かるや左足を素早く振ったが、今度は味方のユルマズに当たって枠から外れた。

香川は後半45分までピッチに立ち、お役御免。このまま1-0で試合は終了した。得点こそなかったが、徐々にボールタッチ数が増えて変化もつけ「後半は(ギュネシュ)監督からポジショニング修正があって、今日1試合を通してプレーできたことは非常にポジティブ。課題はたくさんありますが、次、修正して続けてやっていきたい」と納得しながら振り返った。

14日の日本代表メンバー発表では、W杯ロシア大会以来となる復帰を飾った。上り調子で近日中に帰国する。「若い選手たちと一緒になるのでフレッシュですし、楽しみです。日本人の(森保)監督はコミュニケーション、文化も関係してくるので非常にメリットを感じます」と、初招集の森保ジャパンへ思いをはせていた。日本での国際親善試合キリンチャレンジ杯では22日にコロンビア(日産ス)、26日にボリビア(ノエスタ)と対戦する。