日本代表MF中島翔哉(24)が、カタール1部アルドハイルからポルトガル1部ポルトに移籍することが5日(日本時間6日)に正式発表された。

ポルトのツイッターがユニホームを着た写真などを掲載。背番号は、昨季限りで退団した前エースのアルジェリア代表MFブラヒミが着けていた8に決まった。中島にとっては今年3月の日本代表戦でも背負った番号になる。

同国北部にあるフランシスコ・サ・カルネイロ空港(ポルト空港)に到着した様子が伝えられてから数時間後、メディカルチェックとサインを終えて、わずか半年での欧州復帰が決まった。中東生活を終えて、19年1月まで所属したポルティモネンセ以来のポルトガルへ。契約期間は24年6月までの5年で、地元紙O JOGOによると、今後の移籍金(契約解除金)は8000万ユーロ(約100億円)という超大台に乗った。

関係者によると、当初は買い取りオプション付きの期限付き移籍も検討されていたが、完全移籍で決着。地元メディアの速報を総合すると、今回の移籍金は1200万ユーロ(15億円)~1250万ユーロ(15億6250万円)で、アルドハイルから保有権40~50%を獲得する共同保有の形となった。

ポルトはリーグ優勝28回を誇り、欧州チャンピオンズリーグ(CL)と欧州リーグ(EL)も2回ずつ制覇したことがある名門。ポルティモネンセ時代の昨年1月にも正式オファーを受けていたが、当時は800万ユーロ(約10億円)の提示で折り合いがつかず。破談の1年後、アルドハイルへ移籍金3500万ユーロ(43億7500万円)で完全移籍していた。01年中田英寿の32億円(ローマ→パルマ)や15年孫興民(韓国)の41億円(レーバークーゼン→トットナム)を上回るアジア人の最高額だった。今後は「100億円男」になる。

南米選手権ブラジル大会エクアドル戦で得点した日本の新10番。一時はフランス1部パリサンジェルマンへの期限付き移籍なども模索したが、愛する国の強豪から再出発する。近年のポルトは、中島が得意とする「4-4-2」を基本陣形としており、本職の左サイドハーフで不動の存在だったブラヒミも契約満了。ブラジル代表のフッキやカゼミロ、コロンビア代表のロドリゲスやファルカオら世界クラスの選手を輩出したクラブのエース格として迎えられることが決まった。

本人も、かねて「楽しむことが一番」とした上で「欧州CLに出るようなチームに行くことも、1人のプレーヤーとしては大事」と話していた。まずは、その挑戦権をつかむ。昨季リーグ2位だったポルトは、今季は欧州CL予選3回戦から登場。本戦出場の残り6枠を目指す戦力の期待に応えることが最初の仕事だ。

前回ポルトガル時代のアウェー戦で訪れたポルトの街並み、スタジアムの雰囲気、チームのスタイルに好感を持っていた中島。世界最高級の欧州CLを経験しての22年W杯カタール大会へ-。進化の道を選んだ。