ポルトガル2部リーグに所属するオリベイレンセは14日、投資家である金哲碩(Akihiro Kin)氏の個人会社(株式会社Nuts&About)がクラブ運営会社の株式70%を取得したことを発表した。

同氏はモバイルオンラインゲームの企画開発などを手掛ける日本のIT企業f4samurai(東京都千代田区)のCEOでもある。

金氏は、クラブの97年に及ぶ歴史や街並み、ポルトガルリーグという成長市場に魅力を感じて投資を決断。オリベイレンセのオラシオ・バストス会長から「我々の現実と野心に最も合ったと思われる提案だった。クラブの競争力を高めるため熟考の上で受け入れた」と歓迎された。

新たな社長には、ベルギー1部シントトロイデンの買収と経営に深く関わってきた山形伸之氏(49)が就くことも発表された。同氏はサッカー、メディア、組織、インフラに精通する経営者と紹介された上で「今、我々の最大の目標はチームを2部リーグにとどめること。全員で注力していく」と声明を出し、成績向上へ、新クラブハウスの新設などの積極的投資を約束した。

日本企業が経営権を握ったことで近い将来、Jリーガーをはじめ日本人選手の獲得に動く可能性もある。シントトロイデンから日本代表DF冨安、MF遠藤がイタリアやドイツへ羽ばたき、現在はGKシュミットを抱えるように、オリベイレンセも日本人の欧州挑戦拠点になるのか、今後の取り組みが注目される。