サッカーのイングランド・プレミアリーグの強豪リバプールは19日、オーストリア1部ザルツブルクに所属するMF南野拓実(24)を獲得したと発表した。

背番号は18。現地メディアによると、契約期間は4年半で移籍金は725万ポンド(約10億7000万円)。前シーズンの欧州王者への加入は、09-10年に3冠(リーグ、国内杯、欧州CL)を成し遂げたインテルミラノ(イタリア)に11年1月に移籍したDF長友佑都以来、日本人では2人目となる。

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南野が晴れて欧州王者の仲間入りを果たした。前日にメディカル・チェックを済ませ、契約書にサインし正式に移籍が完了。クラブの公式サイトは、リバプールのジャージーに身を包んだ南野がインタビューに応じる動画を公開した。

「このリバプールの選手の一員になることを夢見ていましたし、その瞬間が今訪れているということにワクワクしています。プレミアリーグでプレーするのは自分にとって一つの目標でしたし、もちろん世界でトップクラスのリーグだと思っていますし。自分のキャリアが順調にいけば、そこでプレーできると思っていました。まさか、このチームでプレーできるとは思っていませんでした。すごくうれしいし、楽しみです」

来年1月1日からの契約。英デーリーメール電子版によると、移籍金は725万ポンド(約10億7000万円)で、契約は4年半の24年6月まで。早ければ来年1月5日のFA杯3回戦、エバートンとの「マージーサイド・ダービー」でデビューする可能性がある。

移籍の転機となったのが10月2日、敵地アンフィールドで行われたリバプール戦だった。欧州きっての名将、クロップ監督の目の前で1得点1アシストを記録した。今月10日のホーム戦での第2戦は得点に絡めなかったものの「そこまで差がないと思う。やれる手応えはあった」と口にした。

今季は得点だけでなく、アシスト数も増加した。トップ下を主戦場としながらも、公式戦22試合で9得点。12月の時点で5季連続2桁得点に王手をかけている。アシストは自身最多の10。チームメートを生かす能力も向上した。日本代表ではW杯予選開幕から4試合連続得点の新記録を樹立するなど、充実したシーズンを過ごした。

リバプールはリーグ戦16勝1分け無敗と、2位レスターに勝ち点差10をつけて独走状態に入っている。特にプレミアリーグ2季連続得点王に輝いたサラーとフィルミノ、マネを含めた3トップは世界最高峰の攻撃力を誇る。

「アンフィールドでリバプールのファンたちと会えるのをすごく楽しみにしています。ファンのみなさんの前でチームに貢献したいです。ゴールか、アシストか。勝利に貢献して(喜びを)分かち合えることを楽しみにしています」

世界トップレベルのチームメートとともに今季は89-90年以来となる19度目のリーグ優勝、2季連続7度目の欧州王者を目指す。南野のリバプール入りは日本代表のみならず、日本サッカー界にとって大きなカンフル剤となりそうだ。

◆南野拓実(みなみの・たくみ)1995年(平7)1月16日、大阪府泉佐野市生まれ。セレッソ大阪ユース在籍時の11年にU-17W杯に出場し、日本の8強進出に貢献。12年11月の大宮アルディージャ戦でJ1デビューし、13年にトップ昇格。15年1月にザルツブルクへ移籍。16年リオ五輪出場。国際Aマッチ通算22試合11得点。J1リーグ戦通算62試合7得点。174センチ、68キロ。