スペイン紙アスは26日、「クボを巡るダービー」と題し、ライバル関係が非常に強いスペイン南部アンダルシア州セビリア市を本拠地とするセビリアとベティスの2クラブがそろって日本代表MF久保建英(19)の獲得を目指していることを特集した。

同紙はマジョルカが2部に落ちたにもかかわらず久保の存在が明らかになったこと、そしてスペイン内外の多くのチームが久保の期限付き移籍を求め、今夏の移籍市場で特に人気の選手のひとりになっていることを強調して伝えている。

今季のリーグ戦15位と低迷し、来季の巻き返しを図るためにマヌエル・ペジェグリーニを監督に迎えたベティスは数週間前、すでにレアル・マドリードと連絡を取り、久保を含む若手選手に放出の可能性があるかを問い合わせたとのこと。

久保は今季のリーグ戦35試合に出場し4得点4アシストを記録したが、中でもベティスのホームスタジアム、ベニート・ビジャマリンで行われた第25節(結果は3-3の引き分け)では6試合ぶりに先発出場し、1得点1アシストという今季最高のパフォーマンスを披露。久保の才能をベティスサポーターの目に焼き付けていた。

一方、シーズンを4位で終え、欧州チャンピオンズリーグ出場権を獲得しているセビリアは久保の獲得争いに最近加わったばかり。アス紙によると、セビリアは縦の突破に優れたサイドアタッカーを求めているため、久保の期限付き移籍を狙っているとのことだ。

多くのクラブが久保を望む中、アス紙はセビリア、ベティス、レアル・ソシエダード、そしてドイツのクラブ(具体的な表記なし)が移籍先の有力候補と伝えている。

ブンデスリーガは近年、カルバハルやアクラフ(来季インテル・ミラノに移籍)など、Rマドリードの選手が何人もステップアップしたリーグであるため、選択肢のひとつになっているとのことだ。また今冬入団したばかりのU-23ブラジル代表MFヘイニエルの来季の所属候補にレーバークーゼンの名が挙がっている。

そしてアス紙は、久保との期限付き移籍の契約条項に買い取りオプションが含まれる可能性がある一方、Rマドリードが常に買い戻しオプションを付け、完全に手放すことがないことを強調して伝えている。

(高橋智行通信員)