アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(33)が、バルセロナ通算753試合目で初の退場処分となった。

スペイン・スーパー杯決勝のビルバオ戦に先発。1点を追う延長後半ロスタイムに、自分を止めようとした相手選手の頭部にプロレスのラリアットのように右腕を振るって地面に倒した。試合も2-3で敗れ、失意のうちにスタジアムをあとにした。

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メッシがキレて退場という、バルセロナにとって後味の悪い敗戦となった。延長後半ロスタイム。ここをしのげば優勝というビルバオはなりふり構わず止めにきた。ドリブルから左サイドへパスを出し、ゴール前へ走り込もうとするメッシに、相手FWビラリブレが1回体をぶつけ、さらにもう1度走路を妨害しようと体をねじ込んだ。

冷静さを失ったメッシは走りながら右腕を振り、右手から前腕にかけた部分でビラリブレの後頭部を強打。プロレスのラリアットか、ボクシングの右フックのような一撃で地面にたたきつけた。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の後、主審がレッドカードを提示すると、ぼうぜんとした様子で首を左右に振りながらピッチを去った。

メッシはバルサB時代に1度、アルゼンチン代表で2度レッドカードをもらったことがあるが、バルサのトップチームでは初めて。2-1で迎えた試合終了間際の後半45分に追いつかれ、延長で逆転される試合展開がかんに障ったのかもしれない。クーマン監督は「ちゃんと確認しないと分からない」とした上で「メッシの行動は理解できる。相手が何度もファウルをしてくる時、ああいった反応するのは極めて普通のことだ」とかばった。

ESPNによると、スペイン協会競技委員会が悪質と判断すれば4試合の出場停止が科される可能性もある。英BBCは「“最低でも”4試合の停止」と報じた。リーグ戦では首位アトレチコ・マドリードと勝ち点7差の3位と苦戦が続く。そんな中、タイトル獲得のチャンスをふいにしただけでなく、絶対エース不在という事態も招いた。