アルゼンチンが1-0で前回大会優勝のブラジルを下し、1993年以来11大会ぶり15度目の優勝を果たした。優勝回数でウルグアイと並んで最多となった。前半22分、ロングパスにMFディマリアが抜け出してゴールを決め、ブラジルの反撃を抑えて逃げ切った。34歳のFWリオネル・メッシにとってはA代表として悲願の初タイトル。U-23代表で戦った08年北京五輪で優勝し、バルセロナでは幾多のタイトルを獲得してきたが、W杯と南米選手権では無冠だった。

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試合が終わると、メッシは涙ぐんでひざまずき、顔を覆った。チームメートが駆け寄り、胴上げが始まった。その後、ブラジルのネイマールが歓喜の輪に近づくと、互いがゆっくり歩み寄る形で「背番号10」同士がハグ。かつてバルサでは同僚でもあったライバルからも祝福を受けた。

表彰式ではトロフィーにキスをし、金メダルを胸に「勝った、勝った!」と叫んだ。普段はあまり感情を表に出さないメッシが、「今の気持ちは説明できない」と興奮した。

05年の代表入り以降、A代表ではあと1歩のところで頂点を逃してきた。14年W杯、15年、16年南米選手権ではいずれも準優勝で、批判にさらされ、一時は代表引退も口にした。「以前は悲しい思いをしたが、いつかこんなことが起きると思っていた」と振り返り、この日の戴冠に「決勝で、ブラジル相手に彼らの国で、神さまがこの瞬間を与えてくれた」と感謝した。

この日で代表通算151試合目。後半43分にはドリブルで仕掛けて絶好機を迎えたが得点はならず。それでも今大会はここまで4得点、5アシストでチームを優勝に導いた。次の目標は来年のW杯カタール大会、マラドーナを擁して制した86年大会以来の世界一の座だ。

◆メッシのA代表での苦闘 05年8月A代表デビュー。06年W杯ではアルゼンチン代表として最年少出場&得点など記録も、準々決勝で開催国ドイツに敗戦。10年W杯も準々決勝で、14年W杯は決勝でいずれもドイツに敗れた。18年W杯は決勝トーナメント1回戦でフランスに敗北。南米選手権では07年の決勝でブラジルに敗れ、11年は準々決勝で敗退。15年、16年はいずれも準優勝に終わった。