ウェールズが1-0でウクライナを下し、1958年ワールドカップ(W杯)スウェーデン大会以来、64年ぶり2度目のW杯本大会出場を決めた。欧州サッカー連盟(UEFA)公式サイトによると「64年ぶり」はW杯本大会出場の間隔としては史上最長だという。

ウェールズの唯一のゴールは前半34分に生まれた。左45度、約25メートルの位置から主将のFWベール(レアル・マドリード)が低くて速いFKをゴール前に蹴り込んだ。これをウクライナFWヤルモレンコ(ウェストハム)が頭でクリアしようとしたが、ボールはゴールに吸い込まれ、オウンゴールとなった。

ウェールズはその後、ショートパスを中心としたウクライナの攻撃に、何度もゴールを脅かされた。だがGKヘネシー(バーンリー)が好セーブを連発。終盤には相手FWドフビク(ドニプロ1)に至近距離からヘディングシュートを放たれたが、左手1本ではじき飛ばした。

この試合はもともと3月に行われる予定だったが、ロシアのウクライナへの侵攻のため延期されていた。ロシア以外の世界中がウクライナを応援する中、ウェールズは選手たちもスタンドのファンもウクライナを最大限にリスペクト。ウェールズ協会もウクライナの難民に試合のチケットを用意するなど相手サポーターを歓迎した。その上でベール、ジェームズ(リーズ)、ラムジー(レンジャーズ)を中心としたカウンター攻撃で対抗し、W杯本大会切符を手にした。フェアに戦うその姿は称賛に値するものだった。

ウェールズのペイジ監督は「本当に感動した。何度も危ない場面があったが、すべてに対応した。(選手は)1人残らず素晴らしかった」

「サポーターも素晴らしかった。彼らはキックオフから後半ロスタイム6分まで我々を助けてくれた」

「試合前『緊張しているか?』と聞かれたが、私は緊張よりも興奮していた。それは選手たちを信じていたからだ。彼らの練習での姿を見て、もちろん緊張はしたが、選手たちを信じていた」などと歓喜の表情で話した。