ワールドカップ(W杯)カタール大会に出場するイングランド、ウェールズ、オランダなど欧州の8連盟は、国際サッカー連盟(FIFA)に対し、代表チームの主将が差別反対を示す「虹色のハート」が描かれたキャプテンマークの着用を要望した。AP通信が22日に報じている。

FIFAの規則では、チームが独自のデザインのキャプテンマークをW杯に持ち込むことを禁止しており、運営組織が提供する備品を使用しなければならないとしている。

開催国のカタールでは、同性愛行為が違法とされるほか、移民労働者の待遇が10年にわたる論争となっている。そういう事情がある中、イングランド主将のハリー・ケーンは「チームを代表して同じキャプテンマークをつけることは、世界が注目する中で明確なメッセージを送ることになる」と声明を出した。

また、スイス協会は同国主将のグラニット・シャカに「人類の多様性を象徴する多様な色のハートが見えるキャプテンマークを着けてほしい」と述べ、ウェールズ協会は「W杯期間中にキャプテンマークを着用する許可を得るよう、FIFAに要望書を出した」と発表している。

このキャプテンマーク・キャンペーンは、カタール首長のシェイク・タミム・ビン・ハマド・アル・タニ氏がニューヨークの国連総会で差別のないW杯を約束すると演説した翌日に開始。人権を守る「OneLove」運動はオランダから始まり、欧州のチームが次々と賛同。主導的な立場にあるオランダは、11月29日にカタール戦が組まれている。