イラク南部の都市・バスラのスタジアム外で19日、群衆事故が起き、少なくとも2人が死亡、数十人が負傷したと保健当局が発表した。AP通信によると、バスラ国際競技場の外で負傷した60人のうち、何人かは重体だという。同スタジアムで行われていた試合は湾岸の8カ国で戦うガルフカップの決勝戦で、イラクがオマーンを3-2で破り優勝した。

この決勝を観戦するため、スタジアムには国内外から大勢が詰め掛けたが入場できない事態が発生。目撃者は、暴徒化した観客をゲートから遠ざけるため、機動隊がこん棒で殴った光景を目撃している。救急隊員は「あらゆる年齢層の人々が、暴走が起こった入り口に通じる金属製の柵のそばに立っていた。打撲と骨折の負傷者を多く運んだ」と話している。

イラクの内務省は、決勝のチケットを持っていない人はその場を離れるように促した。同省によると、スタジアムは満員で、すべてのゲートが閉められたという。

同大会は1月6日に開幕。イラクが大会を主催するのは、79年以来、約40年ぶりだった。大会中も、VIP席で騒動が発生し、クウェートの王子が開幕戦の観戦を見送るなど、いくつかの騒ぎがあった。大会には、湾岸のバーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦に加え、イエメン、イラクのチームも参加した。