スペイン1部バルセロナが今夏の移籍市場で効果的な補強をしつつ大きな収益を上げたことに対し、スペイン紙マルカが6日に「最大限の効果」と見出しをつけて高評価した。

依然として財政難に苦しむバルセロナは今夏、サラリーキャップ(選手の契約年数に合わせて分割された移籍金や選手年俸などの限度額)の制限を大きく受ける中、過去2年間の欧州チャンピオンズリーグ(CL)での失態を払拭し、スペインリーグ2連覇を成し遂げるため競争力の高いチームを作る必要があった。

同紙はそのような困難を抱えながらもチームのレベルを向上させただけでなく、さらに新戦力獲得に費やした金額よりもはるかに高い金額で選手を売却したことを高く評価した。

バルセロナは今夏、イニゴ・マルティネス(ビルバオ)、オリオール・ロメウ(ジローナ)、ギュンドアン(マンチェスター・シティー)を完全移籍、ジョアン・フェリックス(アトレチコ・マドリード)、カンセロ(マンチェスター・シティー)を期限付き移籍で獲得した。その中で資金を投じたのはオリオール・ロメウのみで340万ユーロ(約5億1000万円)。その他、来年まで加入しないブラジル代表FWビトール・ロッキに3100万ユーロ(約46億5000万円)を費やし、補強総額は3440万ユーロ(約51億6000万円)となっている。

一方、今夏は選手を大量に放出したが、その中でデンベレをパリ・サンジェルマンに5000万ユーロ(約75億円)、ケシエをサウジアラビアのアルアハリに1250万ユーロ(約18億7500万円)、ニコをポルトに840万ユーロ(約12億6000万円)、アブデをベティスに750万ユーロ(約11億2500万円)でそれぞれ売却し、その総額は7840万ユーロ(約117億6000万円)だった。

デンベレの移籍金に関しては一部が選手本人に行く契約になっているものの、今夏の移籍市場の収支はプラス4400万ユーロ(約66億円)とし、バルセロナは資金繰りが苦しい中、余剰戦力をうまく整理しつつチームのクオリティーを高め、大きな利益を出すという効果的な補強をやってのけたのである。(高橋智行通信員)