サッカー・ワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会に出場がかなわなかった東南アジア各国で、サッカー熱が高まっている。元々欧州リーグの中継が浸透しており、W杯では世界のスター選手に熱視線を送る。親日の人が多く日本代表の健闘をたたえる声も。「次回は自国代表を見たい」と期待が高まる。

「開幕前後から連日ユニホームがどんどん売れている」。バンコクのスポーツ用品店で女性店員が笑顔を見せた。前回王者アルゼンチンやフランスなどと並び日本も売れ筋で、客の大学生オムシンさん(19)は「欧州で多くの選手が活躍する日本はすごい。アジアの強豪として今大会で応援していた」と話した。

イングランド・プレミアリーグが1990年代から東南アジア市場に注目し、試合の中継放送で進出した。欧州で昼から夕方に行われる試合が夜のゴールデンタイムに重なるのが強み。強豪クラブがプレシーズンマッチで訪れるのも恒例だ。

タイやベトナムなどでは、外国人と地元の人がバーの大画面で観戦する文化が根付く。バンコクのバーで働くミャンマー人のジュンさんは「W杯も皆で集まって盛り上がっている。ミャンマーでもサッカーは人気だ」と語った。

ただ、人気と各国代表の実力には開きがある。オランダ領東インド(現インドネシア)が1938年のフランス大会に出たのが東南アジア勢唯一の出場歴で、日中戦争に伴う不戦勝でのアジア予選突破だった。国際サッカー連盟(FIFA)の8日時点の男子世界ランキングではタイの94位が最高だ。

インドネシアは昨年、アジア最終予選プレーオフまで進んだ。ジャカルタのスポーツ用品店員ナンダさん(27)は「どんどん強くなっている。次回の出場に期待したい」と力を込めた。(共同)