【ニューヨーク19日(日本時間20日)=佐藤隆志】「無敵艦隊」スペイン(FIFAランキング2位)が、「神の子」メッシを擁する前回覇者アルゼンチン(同1位)を延長戦で1-0と下し、4大会ぶり2度目の優勝を果たした。FWフェラン・トレス(26=バルセロナ)が延長後半1分に決勝点を挙げた。今大会8試合を史上最少の1失点で乗り切り、国際Aマッチ38試合連続無敗(29勝9分け)を樹立した。65歳28日のルイス・デラフエンテ監督は史上最年長V指揮官となり、MFロドリ(30=マンチェスターC)は大会MVPに選ばれた。
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無敵艦隊の前では、あのトランプ大統領も陰が薄かった。主将のロドリが黄金のW杯トロフィーを天に向けて掲げた。選手は喜びをあらわに跳びはねた。表彰式のプレゼンターを務めたトランプ大統領も壇上に立っていたが、完全に蚊帳の外。主役は新王者となったスペインだ。脇役は所在なげに壇上から下りた。
ロドリは「最高の気分だ。神様が与えてくれた全てにただ感謝したい。このチームは本当に素晴らしい。僕たちは世界王者だ。史上最高の選手メッシのいる強豪アルゼンチンに勝利できた」と胸を張った。
ボールを回し続け、相手が保持すれば即時奪回だ。アルゼンチンの守護神、E・マルティネスの堅守がなければ90分で勝負はついていた。決勝点は延長後半1分、クロスボールをFWウィリアムスが頭で落とし、FWトレスが左足でたたき込んだ。内容は完勝。シュート数は20対2。しかも90分間ではアルゼンチンに1本のシュートも打たせなかった。今大会8試合で失点1は史上最少記録だった。
殊勲のトレスは「僕が望んだことはW杯をつかみ取り、強く握りしめることだった」。22年カタール大会では日本に敗れ、続く決勝トーナメント1回戦ではモロッコに0-0からのPK戦で敗北。サッカー大国は屈辱からのスタートだった。デラフエンテ監督のもとでチームは再建された。伝統のパスワークに堅守も整備。18~21年にイタリアが記録した37戦無敗を更新し、国際Aマッチ38戦負けなしの世界記録を樹立した。
今大会はエムバペが10点、メッシが8点、ハーランドが7点、ケーンも6点と優勝候補のエースたちが大活躍した。一方でスペインはオヤルサバルの5得点が最多。神童ヤマルもいるとはいえ、チームの総合力で結果を出した。攻守に全員が走り、誰が出ても同じように戦えるチームだった。
デラフエンテ監督が言う。「スペインサッカーには素晴らしい素材、才能があふれている。そして何より、彼らの人間性、献身性、チームのために自分を捧げる姿勢が素晴らしかった。それこそが私たちがここにたどり着けた理由であり、一朝一夕でできたものではありません」。
10年南アフリカ大会が重なる優勝となった。決勝は同じ延長戦の決勝点で同じスコア。そこへ大会公式ソングを歌ったのも同じシャキーラだ。表彰式では「Dai Dai(ダイ・ダイ)」が流れた。
「がんばれ、行こう、行け、行くんだ、さあ行け」。その歌詞の通りに無敵艦隊は突き進み、16年ぶりの頂点へと返り咲いた。
スペイン記録的優勝アラカルト
▼最少失点優勝 8試合でわずか1失点。98年のフランス、06年のイタリア、10年のスペインの2失点を更新し、最少失点優勝となった。無失点試合は1大会最多の7試合を数えた。
▼連続無敗 24年3月26日のブラジル戦から38試合無敗(29勝9分け)の世界新記録を樹立。18~21年にイタリアがマークした37戦無敗を抜いた。最後に負けたのは24年3月22日のコロンビア戦までさかのぼる。
▼最年長優勝監督 デラフエンテ監督は65歳28日で、W杯の最年長優勝監督となった。これまでの記録は10年のスペインを初優勝に導いたデルボスケ監督で59歳200日。
▼10代が2人 19歳のFWヤマルとDFクバルシがフル出場して優勝に貢献。10代で決勝に出場したのは58年のFWペレ(17=ブラジル)、82年のDFベルゴミ(18=イタリア)、18年のFWエムバペ(19=フランス)に続いて4、5人目となり、2人同時は史上初。過去の3人と同様、初の決勝で栄冠を手にした。
▼初の男女制覇 スペインは女子も23年のW杯で優勝しており、男女で直近のW杯を制したのは初。


