向かい風を切り裂いて進め。競泳女子の池江璃花子(18=ルネサンス)が、本命の100メートルバタフライで世界3人目の55秒台突入を掲げた。18日、開会式を前に本番会場で練習。今大会はリレーも含めて8種目に出場予定。個人では自由形とバタフライで50メートルと100メートルを泳ぎ、リレーは400メートル、800メートル、400メートルメドレー、混合400メートルメドレーに臨むという。

 パンパシフィック選手権を日本新の56秒08で制した100メートルバタフライについて「出たばかりですが、またタイムを出したい」と意気込んだ。

 半屋外の会場は、前半の50メートルが追い風、後半は向かい風になる。池江は「風で水面が立っているなと思った」。レースプランは後半からのペースアップで向かい風が敵。ただ昨秋の愛媛国体では台風接近による強い向かい風の中で、50メートル自由形で日本新。「去年、台風を経験しているので、大丈夫です」と言い切った。

 同種目の55秒台はショーストロム(スウェーデン)とロンドン・オリンピック金ボルマー(米国)だけ。池江は「55秒台を出すつもりで来ています」。選手村では「虫が多くて…。蚊に刺されるのが怖くて殺虫剤をまいてます」と悩まされているが、レースでは怖いものなし。今日19日は400メートルリレーで出陣。「1つでも多くの金をとりたい」と、14年仁川大会萩野公介に続くMVPを目指す。【益田一弘】