男子は、学法石川(福島)が2時間4分40秒の県高校新で東北勢トップの7位入賞を決めた。目標にしていたメダル獲得は逃したが、日本人選手だけの高校記録では東北勢歴代首位の好記録で3年連続の入賞を飾った。

 学法石川の意識レベルは高かった。2年連続の7位入賞。だが、昨年に続くチーム最高順位をマークした選手たちに笑顔はなかった。松田和宏監督(41)も「歴代最強」と自負。優勝候補にも挙げられ、初の表彰台を目指していたが、かなわなかった。松田監督は「選手たちの力というより、ピーキングが合わなかったかな。気負いもあったかもしれない」と振り返った。

 3区までに上位につける先行逃げ切りのレースプランが序盤から崩れた。中距離のエース田母神一喜(3年)が2区16位と低迷。今季5000メートル高校王者の遠藤日向(2年)が3区4位で追い上げ、最高6位まで浮上したが、及ばなかった。だが、8位でタスキを受けたアンカー真船恭輔(3年)が7位まで押し上げるなど、最後まで諦めない粘りは見せた。東日本大震災後、被災地・福島の思いを背負って5年連続出場。3年連続出場の4区相沢晃(3年)は「去年より成長できた。順位を落としても粘り強いレースができた。支えてくれた方々に感謝したい」と前を見つめる。

 福島県勢として95年準優勝の田村以来20年ぶり2度目のメダル獲得は逃した。だが県高校記録を23秒短縮。東北勢としても、仙台育英と青森山田の国際記録を除く日本人選手だけの東北高校記録を14年ぶりに更新した。涙の田母神は「悔しい県記録。来年は笑顔で更新してほしい」と後輩たちにエール。自らも「下を向いてばかりじゃいられない。この悔しさを来年の世界ジュニアで晴らしたい」と雪辱を誓った。涙の先に成長はある。1区・阿部弘輝主将(3年)は「胸を張って福島に帰ろう」とチームを鼓舞した。【佐々木雄高】