東海大が青山学院大の1強時代に終止符を打った。6区間中5区間に「黄金世代」と評判の2年生を配し、10年ぶり4度目の優勝を果たした。6区間45・1キロを2時間11分59秒で走破した。

 1区(8・0キロ)の阪口竜平(2年)が残り2キロを切ったところでロングスパート。持ち前のスピードを生かして23分16秒で舘澤亨次(2年)へ、トップでリレーした。神奈川大が2秒差で追いすがり、3連覇を狙う青山学院は梶谷瑠哉(3年)がトップから38秒差の8位と出遅れた。

 東海大は2区(5・8キロ)でも盤石だった。舘澤が安定した走りで2位の神奈川大とのリードを17秒差に広げ、3区の松尾淳之介(2年)につないだ。青山学院大は田村和希(4年)が追い上げ、5人抜きの3位と順位を一気に上げた。田村は15分47秒の区間新記録の快走で、首位・東海大に18秒差と、この区間で20秒も縮めた。

 エース区間の3区(8・5キロ)では東洋大が浮上した。5位で受けた山本修二(3年)がスピードに乗った走りでグイグイと前を追い、ついに7・9キロで東海大は首位を奪われた。青山学院大のエース下田裕太(4年)もこれに追走し、ラストスパートで山本を逆転。大混戦の展開の中、青山学院大がトップでタスキを渡した。3秒差の2位に東洋大、5秒差の3位で東海大が続いた。

 4区(6・2キロ)では再び東海大が先頭に立った。4キロすぎ、鬼塚翔太(2年)が並走する青山学院大・小野田勇次(3年)を振り切る。その勢いのまま14秒差をつけてリレー。3位の東洋大とは30秒差まで広げる。鬼塚は区間賞だった。

 5区(6・4キロ)でも、東海大の勢いは止まらない。三上嵩斗(3年)がしっかりした足取りで、危なげない走りを披露。2位の青山学院大・神林勇太(1年)との差をさらに広げ、37秒差という“大差”で最終区間へ勝負を持ち込んだ。三上も区間賞だった。

 最長区間の最終6区(10・2キロ)では、東海大・関颯人(2年)が持ち前の力強い走り。5000メートルを13分35秒81で走るスピードを存分に見せつけ、必至に追いすがる青山学院大・橋詰大慧(3年)に付け入る隙を与えない。10月とは思えない強い日差しの中、最後までペースを落とさず、圧倒的な強さでゴールに飛び込んだ。

 昨年3冠の青山学院大は、東海大に1分33秒差の2時間13分32秒のフィニッシュ。今季「陸王大作戦」を掲げてシーズン初戦に向かったが、3年連続4度目の優勝はならなかった。