男子マラソンの川内優輝(31=埼玉県庁)が29日深夜、ストックホルムマラソンに出場するため羽田空港から出国した。

 気温30度前後の中でのレースが予想される。暑さは苦手とするだけに「憂鬱(ゆううつ)です。キツいですね」といい「暑い中でどれだけ粘れるか」と語った。5月も2日連続を含むハーフマラソンを3度、71キロのレースに1度出場と相変わらずのハードな実戦を積んでいる。「疲れも残っている」と弱気な言葉が続いた。

 コーチを付けず、公務員ランナーとして戦い、来年からプロ転向。独自の路線を歩んでいる男は、社会問題化した日大アメリカンフットボール部の悪質タックル騒動についても、水を向けられた。「難しいですね」と言葉を選びながら「監督とコーチが絶対に正しいわけではないと気が付いてもらえたら」と話した。与える印象が正反対だった宮川選手と、内田前監督らの記者会見の対応にも触れ「正直に反省して答えるのが大事なのかな。正直だと見ていて分かりますよね」と語った。最後は「(アメフト問題の話題を)振られるかなと思ってました」と笑って、機上の人となった。