厚底シューズ時代を「忍者シューズ」で転覆させる。青学大時代に箱根駅伝で活躍し「3代目山の神」と呼ばれた神野大地(25=東京陸協)が16日、都内で行われたニューバランスの新シューズ「HANZO V2」の発表会見に出席した。

お披露目された新シューズには「忍者」のマークが描かれていた。物音を立てず、素早く走り、最後に大仕事をやり遂げる。そんな思いが、新たな底の薄いシューズには込められるという。

神野は「日々、黙々と練習をしつづけた選手が最後に大物を狩る。自分の常に思っていることと一緒。そういう思いが込められたマーク。一緒に頑張っていければ」と口にした。青学大時代に箱根駅伝で活躍し「3代目山の神」と呼ばれ、大きな注目されたが、それは過去の栄光と捉える。マラソンでは自己記録2時間10分18秒。今は2時間5分50秒の日本記録記録を持つ大迫傑(27=ナイキ)や2時間6分11秒の自己記録を持つ設楽悠太(26=ホンダ)を追う立場だ。くしくも2人はナイキの厚底シューズを履く。

今後は18日の上尾ハーフに出場後、福岡国際マラソン(来月2日)では設楽や川内優輝(31=埼玉県庁)らに挑む。「出るからには誰にも負けないという気持ちを持って勝負していきたい」と力を込めた。2時間11分42秒以内ならば、20年東京五輪の代表選考会マラソン・グランドチャンピオンシップの権利を得るが、目標は高く置く。

シューズは高橋尚子さん(46)や野口みずきさん(40)ら往年のレジェンドのシューズも担当した職人・三村仁司氏(70)が手掛けた。素材や製法まで細かなこだわりが詰まっており、怪我の防止はもちろん、マメも出来にくいシューズが完成した。神野は「僕は練習せずに走れるほど才能のあるランナーではないと自覚している」。日々の修行で力を蓄え、世間を驚かせる。