男子の北海道栄(3年ぶり9度目)が2時間8分39秒の同校最速タイムで21位に入った。1区でエース藤本竜(3年)が区間29位と出遅れたが、3区小野隆一朗、4区工藤吏晟の2年生コンビが発奮。区間10番台の力走で、北海道日大時代の82年24位を更新する最高位につなげた。

景色が違った。号砲で走りだした北海道栄・藤本は異変に気がついた。「もっと前に出て勢いに乗りたかった…」。先頭集団から、7キロ過ぎの下りでスパートをかけるはずだった。京都入りしてからも好調を維持していたはずだった。初の全国舞台は、想像を超えていた。

1区は最長10キロを走る、エース区間。全道ではタイム差もあり常に先頭を走ったが、全国では集団に埋没した。対策も、練習もした。それでも位置取りに失敗。選手をかわすのに力を使い、5キロ手前で失速した。区間29位に終わった。

だが、エースの不振を残り6人が挽回した。2区川原樹(3年)は冷静だった。「遅れているのは聞いていた。あせりはなく、自分のことだけに集中した」。14、15年にOBの兄巧も走った都大路。夢舞台を自身の設定したタイムで走りきり、崩れそうな流れを立て直した。

全道で区間賞を獲得した2年生コンビもつないだ。3区小野は区間17位で順位を1つ上げ、4区工藤も同13位で3人抜き。「今日の走りは150点満点」(工藤)。エース藤本は「仲間に助けられた」と感謝した。

北海道王者として出場するのは82年以来、36年ぶり。当時の同校ベスト順位24位を更新した。桜庭洋樹監督(43)は「練習は間違っていない。崩れたところから順位を上げられたのは財産」とたたえた。工藤は「(小野と)自分たち2人が引っ張って次は全国で入賞を目指したい」。厳寒の雪原で鍛え直し、もう1度、師走の京都に戻ってくる。【浅水友輝】