女子100メートル決勝で昨年の高校総体覇者の御家瀬緑(恵庭北高3年)が、90年三木まどか(姫路商)以来29年ぶりの高校生優勝を果たした。

11秒67(追い風0・6メートル)で今季日本ランク1位の2位土井杏南(23=JAL)を0秒05差でかわした。初の日本一の座をつかんだ18歳は「集中していた。(11秒)6台を狙っていたので良かった」と喜んだ。

改良を続けるスタートで土井に続く全体2番目のリアクションタイム(号砲への反応)をマーク。上体を起こすと、1歩1歩地面を強く蹴り上げ、滑らかに加速した。「自分のレーンだけを見て走った」。中盤では高校日本記録(11秒43)を保持する土井に猛追されたが、冬季練習で磨いたスピードは最後まで落ちずトップでゴールに駆け込んだ。

レース後には初出場で8位に入った石堂陽奈(立命館慶祥高3年)と抱き合った。100メートルの日本記録保持者の福島千里(31=セイコー)が欠場した日本最高峰の舞台で、北海道女子スプリント界の新星が輝きを放った。