優勝候補に挙げられていた大迫傑(27=ナイキ)は3位に終わり、今大会での五輪代表切符を逃した。「力負け。真摯(しんし)に受け止めたい」と悔しさをかみ殺した。

最大のライバル設楽が序盤から飛ばしたことで、焦りが出た。「普段ならもう少し後ろにいるところが、前で進めてしまった」。ここでの無理が終盤にたたった。残り2キロを切った後にいったんは先頭に並びかけたが、再び引き離され「足が残っていなくてきつかった。最後に短い坂で出られてしまった」。服部との2位争いにも後れを取った。

今後はMGCファイナルチャレンジの指定3大会で、自らの持つ日本記録2時間5分50秒を更新する選手がいなければ代表権を得る。大迫が3枚目の切符に最も近いことは間違いないが、それでも日本陸連の瀬古リーダーは「設楽も井上も日本記録を出せる力を持っている。大迫は油断できない」と指摘。一方で東京五輪でダメージが残ることを考慮し「自分だったらファイナルには出走しない」とも続けた。

大迫自身は今後について「コーチと相談してしっかり考えていきたい」と話すにとどめた。しゃにむに走るか、果報は寝て待つか。難しい立場に置かれた。【奥岡幹浩】