札幌に移転した20年東京オリンピック(五輪)のマラソン、競歩について話し合う大会組織委員会と札幌市、北海道の3者による第2回実務者会議が18日、同市内で行われ、両競技の発着点について同市中心部の「大通公園」とすることで合意した。12月4日の国際オリンピック委員会(IOC)理事会で承認を得る方針。

マラソンコースは北海道マラソンをベースにし、同市中心部を2周する周回コースが示された。観光名所が乏しく日陰も少ないことから北部の新川通をカットする方向。競歩は大通公園と交わる「札幌駅前通」を会場とする。男女20キロ競歩は1キロコースの周回、男子50キロ競歩は2キロコースを周回する。

両会場を近接させ、仮設で整備する運営拠点を1カ所にし、経費を削減する。都外会場の仮設費用は都が負担する決まりだったが、今回は例外として組織委と国際オリンピック委員会(IOC)が負担する方向で、経費はできるだけ抑えたい狙いもある。開催まで約8カ月という短い準備期間も、施設を簡素に集約する理由だ。

この日、競技日程は固まらなかったが、組織委は東京で行われる予定だった従来日程で関係者と最終調整している。男子マラソンは閉幕日となる8月9日に設定されているが、その場合、閉会式が行われる新国立競技場で表彰式を行うIOC案は、ドーピング検査などの問題があり実現困難。表彰式は札幌で行う案が出ている。

地元札幌市としては市民生活への影響を考え平日にマラソンを実施してほしくない考えがあり、国際陸連が独自に示している7月の平日が絡む3日間の凝縮日程は難しい。

今月中に第3回実務者会議を開催し、コースや日程についても協議する。12月中には競技の運営体制を整え、始動させたい考えだ。【三須一紀】