24年パリ・オリンピック(五輪)のマラソン代表選考に関して、日本陸連は「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)のように、上位選手が五輪切符を獲得できる「一発勝負」のレースを行う方向で調整を進める。

17日、テレビ会議形式の理事会後に尾県専務理事が「21年~23年に複数年にかけ、透明性、公平性を持ち、次の五輪選手を選ぶ。一発選考に近い形は残していく。(選ぶのは)2人か1人かなど具体的な仕組みはこれから検討していく」と述べた。

16年リオ五輪までは五輪シーズンの複数の選考会から代表を選んでいたが、東京五輪から一変。五輪3年前から記録や順位などの基準をクリアした選手が、本番1年前のMGCに進み、その直接対決の上位2人が代表となる仕組みに。勝負強さと速さを兼ねないと生き残れない方式は、日本記録更新など選手強化にもつながっていた。その上で同専務理事は「今回は地元五輪。まったく同じ形で行うのは難しい」とも話した。

○…臨時理事会では東京オリンピック(五輪)が1年延期前に獲得したマラソンと競歩の代表権が維持されることを決めた。また既に選考会が終わった男子20キロ競歩の残り1枠には高橋英輝が選ばれた。

最終選考会の日本選手権が中止となり、1枠が残る男子50キロ競歩の選考会は12月以降に開催する方針。麻場強化委員長は「不安を取り除けたのは前進」と話した。