20歳の田中希実(豊田自動織機TC)が驚異的なラストスパートを披露し、3000メートルを8分51秒49で駆け抜けた。

いつものように序盤からレースを引っ張る形ではなく、この日は中盤まで2、3番手あたりにつけて力を温存。終盤に入ると一気にギアを上げ、独走態勢を築いた。

田中は8日のホクレン・ディスタンスチャレンジ深川大会で8分41秒35を出し、福士加代子(38=ワコール)の日本記録を18年ぶりに更新していた。

15日の網走大会では5000メートルで自らレースを引っ張り、日本歴代3位の好タイムで1着。4日の士別大会でも1500メートルで日本歴代2位のタイムをたたき出していた。

昨秋の世界選手権(カタール・ドーハ)では女子5000メートルで決勝に進出して14位。日本歴代2位となる15分0秒01をマークし、東京オリンピック(五輪)の参加標準記録を突破した。

同志社大に在学中だが陸上部には入らず、父・健智さんの指導を受けながら練習に励んでいる。

◆田中希実(たなか・のぞみ)1999年(平11)9月4日、兵庫県出身。兵庫・小野南中、西脇工から同大スポーツ健康科学部に進学。18年U20世界選手権女子3000メートルで金メダル獲得。19年世界選手権女子5000メートル14位。153センチ