陸上男子110メートル障害で13秒16の日本新記録を樹立した金井大旺(25=ミズノ)がレースから一夜明けた30日、オンラインで会見した。

16年リオデジャネイロ五輪では銀、19年世界選手権では銅メダルに相当する好タイムだった。東京五輪で、金井は同種目で日本人初となるファイナル進出を目標に掲げる。そのイメージを高められた様子。「13秒1台が出せたのは自信につながった。準決勝でどう持っていけばいいのか、より明確になった。13秒1台の動きを体感できた。リズムを落とさずに行くことが重要。これをコンスタントに出していかないといけない」と話した。

日本記録を0秒09も塗り替えた織田記念では、スタートの意識を変えていたという。号砲を聞いて反応したつもりでも、フライングと判定された経験が何度かある程、素早い出足を誇る。ただ、中盤以降も速くなったこともあり、スタートの意識を「ちょっと遅れてもいいや」と変えた。それでも、技術は体に染み付いており、いつも通り出られると知った。今後へ向けても、1つの収穫になった。

6月の日本選手権で3位以内に入れば、東京五輪の代表に内定する。東京五輪を最後に競技生活に区切りを打ち、歯科医を目指す。成長を続け、まさに全盛期を迎えているが、日本記録を出しても、その気持ちは変わらない。あらためて「オリンピックで最後と決めている」と話した。次戦は5月9日に国立競技場で行われるテスト大会に出場する。「会場の雰囲気、建物の造り、スタートラインに立った時の景色など、オリンピックを想定して走りたい」と語った。