【ユージン(米オレゴン州)=佐藤礼征】陸上の世界選手権(15日開幕)に出場する日本選手団は12日、会場周辺に位置するトラックで調整を行い、男子100メートルに出場する自己記録9秒97のサニブラウン・ハキーム(タンブルウィードTC)らが汗を流した。

約1時間、ジョグやストレッチを中心に体を動かしたサニブラウンは練習後、取材に応じ「体をほぐしてという感じ。(状態は)悪くはない。ここまできたらやることをやるだけという心構え」と話した。4大会連続出場となる今回の世界選手権は、100メートルと400メートルリレーに出場する。「4大会目で年齢は若いけど(出場経験という意味では)ベテランの域に入ってきた。他の選手を引っ張っていきたい」と、日本選手団の“支柱”を担う覚悟を示した。

会場のヘイワールドフィールドは、米国の陸上界では聖地とも呼ばれる。自身も拠点は米フロリダ州。「アメリカで世界大会は実感がない。いつも(開催地は)ヨーロッパやアジアのイメージ。ちょっと新鮮な感じ。このトラックで走るのは楽しみ」と笑顔を見せた。

3大会連続メダルを目指すリレーでは、エースとして2走を務める見通し。6人中4人が初出場というフレッシュな“リレー侍”。「(今までと)チームがほとんど違って新しい。過去にメダルを取っているけど、失うものはない。チャレンジャーとして、攻めていけたらいい」と意気込んだ。

この日は東京五輪男子走り幅跳び6位入賞の橋岡優輝(富士通)や、男子3000メートル障害の三浦龍司(順大)も同所で練習に励んだ。

初日は橋岡らが登場する男子走り幅跳びや、連覇を目指す山西利和(愛知製鋼)を筆頭にメダル獲得が期待される男子20キロ競歩、サニブラウンと坂井隆一郎(大阪ガス)が出場する男子100メートル予選などが行われる。