【ユージン(米オレゴン州)=佐藤礼征】世界陸連は14日(日本時間15日)、米オレゴン州で理事会を開き、2025年世界選手権の開催地を東京に決めた。東京・国立競技場での実施を目指す。日本での開催は91年東京大会、07年大阪大会に次いで3度目。運営能力や施設など、昨夏行われた東京五輪のレガシーを活用することが期待される。世界陸連は開催時期を8月末で希望しているが、日本陸連は暑熱を考慮して9月中旬を掲示している。

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▽解説

今回の招致決定を経て、国立競技場の陸上トラックは東京五輪・パラリンピックのレガシーとして活用される意味合いが鮮明となった。東京五輪・パラ後の国立競技場について、政府は17年に球技専用とする方針を決めたが、その後は存続させる方針に転換していた。

開催にあたり、練習用の補助競技場(サブトラック)も議論の対象となってくる。現時点で日本陸連と東京都は、国立競技場から2キロほど離れた代々木公園にある陸上競技場、通称「織田フィールド」の活用を検討している。移動距離など、選手の負担という観点でいえば、隣接している方が望ましい。尾県会長も「世界陸連からも質問があった」と、対策に関心を持たれていることを明かした。

今回の世界選手権オレゴン大会では、会場から5キロ以上離れた場所にサブトラックが設置されている。選手はシャトルバスを主に利用して宿舎や会場へ移動しているが、やや郊外ということもあって、渋滞などの影響は現時点で見られない。「距離は変えられないので(移動)時間を短縮できるように東京都さんと考えたい」と尾県会長。3年後に向け、さまざまな調整が必要となる。【佐藤礼征】