男子100メートル予選が行われ、6月の日本選手権で2位に入った初出場の坂井隆一郎(24=大阪ガス)が準決勝に進出した。10秒12で4組3着に入り、自動的に準決勝に進出する3着以内で予選を突破した。

持ち味のロケットスタートでスタートから飛びだした。後半に同走の東京五輪(オリンピック)金メダリストのヤコブス(イタリア)らに抜かれたが、3着でゴール。「世界の一番レベルの高い試合に出られるのがすごく楽しみだったので、スタート地点に立ったときも楽しさが勝った。絶対に着順内でと思っていた。金メダリストもいたけど、意識しないで自分の走りをしようと思った」と笑顔でレースを振り返った。

6月の布勢スプリントでは日本歴代7位タイの10秒02をマークして世界選手権の参加標準記録(10秒05)を突破。代表の座をつかんだ。171センチ、64キロと小柄ながら、回転の速いピッチ走法が武器。3大会連続のメダル獲得が期待される400メートルリレーでは、得意のスタートで1走を務める見通しだ。

昨年は日本選手権直前に右太ももを肉離れ。東京五輪の夢はかなわなかったが、「海外を見据えると筋肉アップが必要」と冬季で体重は3キロアップ。上半身の筋力増加により、課題だった後半の減速が収まった。その成果を初の世界舞台で発揮した。

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