男子走り高跳びで決勝進出を果たした真野友博が、日本の男子では五輪を含めて戦後初の8位入賞で歴史をつくった。2メートル27を1発でクリア。「入賞ライン」と意識した2メートル30は3回連続で失敗したが、他選手の結果を待って何とか圏内に滑り込んだ。「入賞は狙っていたけど(2メートル)30以上は跳びたかった。ラッキーというか、今回はついていた」と謙虚に振り返った。

広島県生まれで、陸上を始めた中学時代は全国に縁がなかった。高校総体に出場した山陽高でも代表は程遠い。転機は福岡大への進学。80年モスクワ五輪代表の片峯隆氏に「技術的な指導」を受けて、記録が上昇。昨夏の東京五輪出場は逃したが、初の世界陸上で勝負強さを示した。

第一人者となる自覚を持つ。東京五輪で同種目では日本勢49年ぶりの決勝進出を果たした戸辺直人(JAL)が、6月の日本選手権で練習中に左アキレス腱(けん)を断裂した。「戸辺さんは復帰まで時間がかかってしまうと思う。その間は自分が日本の走り高跳びで自覚を持って、自分が上位で引っ張って行けたらなと思う」。世界で結果を残した自信を裏付けに、同種目を引っ張っていく。

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