23年1月2、3日の箱根駅伝で上位進出を目指す早大のエース・井川龍人(4年=九州学院)が、「村神様」の勝負強さでチームを引っ張る。

17日、埼玉県内で練習を公開。高校の1学年上にプロ野球ヤクルトの村上宗隆内野手がおり、3冠王の活躍に「普段は野球見ないですけど、今年はずっと見てました」という。目を見張るのが、「神」と称されたここ一番の強さ。「大事なところで結果を残す。僕もそんな風に」と箱根路を見据えた。

1年生から3年連続出場も実力を発揮できなかった。1年時は3区14位、2年時は1区5位、3年時は同16位と苦しむ。特に前回は「謎の不調」で、シード落ちしたチームの一因を作ってしまった。だからこそ「勝負強さ」にあこがれる。

1万メートルの自己記録は27分台で、エントリー選手では6人だけ。留学生を除くと3人で、駒大の田沢、鈴木に続く。高校時代に実績で上回っていた田沢は、いまや学生No・1選手。「いまはかなり差がついている」と認めながらも「今後(卒業後も)もまだ続くので。つながるレースをしたい」と巻き返しにいく。

6月に就任した花田監督は起用法に悩むも、往路を示唆した。直接対決の可能性も残す。往路3位以内、総合5位以内を掲げるチームのためにも。「悔いのない走りをしたい」と「神」を目指す。【阿部健吾】

◆井川龍人(いがわ・りゅうと)2000年(平12)9月5日、熊本県芦北郡生まれ。熊本・九州学院高3年時には高校総体で日本人1位など、世代のトップとして早大に入学。学生3大駅伝では2年時の全日本2区2位など。中学まではサッカー部に所属し、いまでも熱心に観戦する。アーセナルの大ファン。自己ベストは5000メートル13分45秒30、1万メートルは27分59秒74。178センチ。