連覇を狙った長野でアンカー7区(13キロ)を務めた立教大(立大)の上野裕一郎監督(37)が、優勝のゴールテープを切った。監督、選手としての二刀流を実践してみせた。長野は2大会連続9回目の優勝を果たした。2時間17分10秒で大会記録を1秒更新した。2位の埼玉(2時間17分35秒)、3位の東京(2時間18分20秒)を寄せ付けなかった。

上野は2番手の千葉に49秒差のトップでタスキを受けると、足を高く上げたフォームでスタート。快調にスピードを上げて疾走する。沿道からの「上野っ!」という声援には手を上げて応えるなど、ロードの千両役者ぶりを発揮。しっかりした足取りで危なげなく逃げ切った。38分11秒の区間12位。ちなみに17年以来の出走で、6年前もアンカーで優勝テープを切っている。

月桂冠を頭に載せた上野は「ふるさとに貢献できて、こんなに幸せなことはありません」と喜びをかみしめた。立大の監督としての立場を考慮し「監督業がメイン。その合間に市民ランナーとして活動する中で選んでいただいて光栄です」。それでも現在も日本のトップレベルに近い立場にあることを証明した。

上野は昨年11月の記録会に出場し、5000メートルで13分39秒95をマーク。中央大時代に4年連続で箱根駅伝に出場し、09年世界選手権男子5000メートル日本代表にもなった脚力は衰え知らずで、練習では選手たちに並走し「私に勝てれば、箱根駅伝に行けるよ」と鼓舞してきた。立大で18年から指揮を執る「日本一速い監督」は、同校を55年ぶりの箱根路へと導いた。

大会は新型コロナウイルスの影響で2年の中止を経て、今回が3年ぶりの開催だった。

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