2組で日本歴代3位の9秒98の自己記録を持つ東京五輪代表の小池祐貴(28=住友電工)が、10秒26(向かい風0・6メートル)の同タイムながら連覇を目指すサニブラウン・ハキーム(24=東レ)に競り勝って同組1位で決勝に進出した。

スタートから左隣のレーンを走るサニブラウンと並走してトップを争い、最後は1000分の7秒差で先着した。

3日の予選はスタートのリアクションタイムが4組最下位で出遅れたが、中盤から力強いフォームで先頭に立ち、10秒27(追い風0・7メートル)で1着でゴール。地力を見せつけた。「(準決勝は)スタートから出たい」と話していた。

今季は00年シドニー五輪金メダリストのモーリス・グリーン(米国)らを育てた名コーチのジョン・スミス氏と契約し、拠点を米ロサンゼルスに移した。「これで駄目だったら、もう才能がないんだろうなと諦められる」と不退転の覚悟で競技に取り組んでいる。

19年に100メートルで日本勢3人目となる9秒台をマークしたが、21年東京五輪は予選落ち。昨年も100メートルでは世界選手権の出場権をつかめなかった。再び世界の舞台で戦うために、まずは同日午後6時35分スタートの決勝で初優勝を目指す。