学生3大駅伝の初戦となる出雲駅伝は、1区からトップに立った駒澤大(駒大)が、そのままゴールまで独走する圧倒的な強さで大会記録となる2時間7分51秒で制した。2年連続5度目の優勝を果たし、史上初の3大駅伝2年連続3冠へ盤石のスタートを切った。2位に創価大、3位に城西大、4位に国学院大が入り、青学大は5位、早大が6位だった。

アンカーでゴールテープを切った鈴木芽吹主将(4年)は「勝ちにきたので、勝てて良かった。最強と呼ばれた去年のチームを超えることがテーマ。今年につながるレースだった」と喜んだ。

1区(8キロ)から駒大が飛び出した。ハーフマラソンの日本人学生記録保持者の篠原倖太朗(3年)が、先頭を走るアイビーリーグ選抜のヒューゴ・ミルナー(25=ハーバード大卒)の後方にピタリとついて快走。マッチレースから残り400メートルでミルナーを抜いてトップでタスキをつないだ。この時点で早くも同じ優勝候補の3位国学院大と21秒、4位早大とは23秒の差がついた。

区間賞の篠原は「予想した展開。集団にいたので選手を上手に利用させてもらい、風もある程度しか受けなかった。経験の差が出た」とレースを振り返った。

駒大は最短の2区(5・8キロ)も、10月4日に杭州アジア大会5000メートル6位入賞した佐藤圭汰(2年)が独走。7位から2位に浮上して佐藤と同タイムの区間賞を獲得した青学大の黒田朝日(2年)に39秒差と、この区間でさらに後続との差を広げた。それでも佐藤は「区間賞だった去年よりタイムは50秒くらい遅い。自分の実力が出せなくて悔しい」。早大はトップから41秒差で3位、国学院大は同1分差の4位でタスキをつないだ。

3区(8・5キロ)も駒大の山川拓馬(2年)がそのまま一人旅。3・6キロすぎに5位でタスキを受けた創価大のリーキ・カミナ(3年)が、青学大と早大をかわして2位に浮上。さらに6・5キロすぎには城西大のヴィクター・キムタイ(2年)も3位に順位を押し上げ、その後方4位に青学大の佐藤一世(4年)が食らい付いたが、駒大と2位との差は57秒差にさらに広がった。

4区(6・2キロ)は2位創価大の山森龍暁(4年)がスタートから区間新ペースで、駒大の伊藤蒼唯(2年)を追いかけた。しかし、今年1月の箱根駅伝で1年生ながら6区区間賞を獲得した伊藤は安定したペースで快走。2位創価大との差は45秒、3位青学大との差は59秒と、それぞれ10秒以上差を縮まったが、駒大がトップ独走のまま、残り2区間に突入した。

5区(6・4キロ)も逆転を狙う2位創価大の吉田響(3年)が、区間新ペースで前半を駆け抜け、駒大の安原太陽(4年)をじわじわと追い上げた。しかし、昨年も同じ5区で区間賞を獲得している安原も粘りの走りで最後までペースを落とさず、創価大と39秒差でアンカーにタスキをつないだ。

最終6区(10・2キロ)、駒大は満を持して1万メートルの日本人学生歴代3位の27分41秒68の自己ベストを誇る鈴木主将を投入。前半から別格の走りで後続をさらに突き放してゴールを駆け抜けた。昨年の駒大が記録した2時間8分32秒を塗り替えた。

駒大は3大駅伝通算27勝の大八木弘明監督が昨季限りで勇退し、同校のコーチを務めていた藤田敦史氏が4月から新監督に就任。昨年までチームを引っ張った田澤廉(現トヨタ自動車)も卒業したが、新チームも選手層は随一であることを証明。史上初の2年連続3冠の偉業への期待が高まった。

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