陸上男子110メートル障害(ハードル)日本記録保持者の村竹ラシッド(22)が1日、JALに入社し、今夏のパリオリンピック(五輪)へ胸を高ぶらせた。

3月に順天堂大(順大)を卒業し、この日の入社式には赤色のネクタイにスーツ姿で出席。高校時代や大学入学当初は「そこまでやる気がなかったので、社会人まで続けるとは思わなかった」と苦笑いで打ち明けつつ、「これからは自分の競技がさらに評価される世界になる。パリ五輪、東京での世界陸上と2年続けてビッグイベントがあるので、どちらとも出場して、決勝進出、メダル獲得を目標に取り組みたい」と決意を込めた。

入社式では、同社所属で昨夏の世界選手権女子やり投げ金メダルの北口榛花(26)、18年から同社とサポート契約を結ぶ米大リーグドジャース大谷翔平投手(29)からビデオメッセージも送られた。「前向きに明るく元気な未来を目指して頑張りましょう」などのエールを受け、「うれしかった。お二方とも世界の第一線で活躍されているアスリートなので、自分もあのようになりたい」と笑顔。内定後には北口へ新居選びを相談したといい、「広い家がいいよ」とアドバイスされたと明かした。

村竹は昨年9月に日本タイ記録となる13秒04をマーク。順大の2学年先輩にあたる泉谷駿介(24=住友電工)のタイムに並んだ。すでにパリ五輪の参加標準記録は突破済みで、6月下旬の日本選手権の成績次第で初の五輪代表が決まる。シーズン初戦はダイヤモンドリーグ(DL)か今月29日の織田記念(広島)を予定しており、今月中旬までは鹿児島で泉谷と合同合宿を敢行する。

社会人1年目のシーズンへ「13秒1台はいつでも出せるようにしたい」と具体的な目標を口にし、日本人初の12秒台へは「狙える試合で狙いたい。五輪で出せたら最高じゃないかな」とさわやかな表情で思い描いた。