<全日本実業団対抗女子駅伝>◇14日◇宮城県松島町文化観光交流館前→仙台市陸上競技場(6区間42・195キロ)◇出場26チーム

 女子マラソン期待の星、前田彩里(さいり=23)が9人抜きの快走で、ダイハツを歴代最高順位の2位に導いた。エース級がそろう最長区間の「花の3区」で出走。11位でタスキを受けると、区間2位の走りで2位に浮上させた。デンソーが2時間16分12秒の大会新記録で連覇を達成。3区で区間新樹立のデンソー高島由香がMVPを獲得した。

 「素晴らしい走りは予想以上。感心しました」。林監督がうなれば、五輪と世界選手権連続代表で5区で区間賞の木崎も「さすがです。あの勢いはさすが」と連呼した。「抑えめに入った」という前田だが、前走者をつかまえては抜き去る異次元の走りで、9人をごぼう抜き。それでも区間賞に5秒届かず「まだまだ力が足りない。悔しい」と悔しさをにじませた。

 初マラソンとなった今年1月の大阪国際女子で2時間26分46秒を記録し一躍、シンデレラガールに。佛教大を卒業し今春、ダイハツ入りした。ナショナルチームの一員として夏には米国高地合宿にも参加。最大酸素摂取量は世界トップクラスとされるスタミナに、スピードもつけ「低燃費高出力」に磨きをかけた。「タイムより結果。優勝です」と目標を挙げる来年3月の名古屋ウイメンズで、世界選手権代表を狙う。