バスケットボール男子W杯が今日25日、日本(沖縄)、フィリピン、インドネシアの3カ国で開幕する。強敵がそろうE組に入った日本(世界ランキング36位)は、同日の開幕戦で強豪ドイツ(同11位)と対戦。右足首を捻挫した大黒柱の渡辺雄太(28=サンズ)はプレー時間に制限がつきそうだが、出場が見込まれる。NBA入りを狙う注目シューターの富永啓生(22=ネブラスカ大)、日本国籍を取得して代表入りしたホーキンソン・ジョシュ(28=B1SR渋谷)ら日本のキーマンとともに、覚悟を持って大舞台に臨む。

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19年W杯中国大会。順位決定戦でニュージーランドに大差で屈した後、渡辺は険しい表情で言った。

「本当に最悪な試合。日本代表として恥だと思う」

日の丸を背負う誇り、そして責任から厳しい言葉が口を突いた。16歳で初めて代表候補に選ばれ、その年のジョーンズ杯(台湾)で代表デビュー。米大学に進学し、ドラフト外からNBAへの道を切り開いた。

本場でもまれながら、12年以上にわたり日本代表をけん引してきた自負。勝利への渇望はひときわ強い。「勝てない選手がずっといても仕方ない。パリに連れていけなければ、代表選手としている資格はない」

前回19年W杯は5戦全敗で32チーム中31位。3連敗で11位に沈んだ東京五輪では、3戦目のアルゼンチン戦後、頭からタオルをかぶってベンチに座り込んだ。世界の壁。その高さと分厚さを知るからこそ、覚悟を決めてこの大会に臨む。

「今回もまた連敗するようなことがあれば、自分は代表のユニホームを脱ぐつもり。今回は懸けている」

NBAと選手会の労使協定で代表合流は遅れた。さらに、直前の強化試合3戦の初戦アンゴラ戦で右足首を捻挫。連係を深めるはずだったが、出場時間は12分にとどまった。ほぼぶっつけで本番へ。コンディションなどに不安は残すが、言い訳するつもりはない。日の丸の重み、そして世界で勝つ難しさを誰よりも知る男は、背水の覚悟を胸にコートに立つ。【奥岡幹浩】

◆渡辺雄太(わたなべ・ゆうた) 1994年(平6)10月13日、横浜市生まれ、香川県三木町出身。香川・尽誠学園高では全国高校選抜優勝大会(現・全国高校選手権)で2年連続準優勝。米ジョージワシントン大卒業後にNBAグリズリーズとツーウエー契約を交わし、18年10月NBAデビュー。ラプターズ、ネッツを経て、23年にサンズに移籍。16歳だった11年4月に日本代表に初選出され、19年中国W杯、21年東京五輪などに出場。