先日、テレビ東京系「さまスポ」の収録を行った。

 この番組は、さまぁ~ずさんにスポーツを教え、上手になってもらう、という番組。毎週土曜午後6時から放送されている。今回の収録分は8月18日に放送予定だ。

 周囲の方に「さまスポ」のお話をしたら、多くの方が、「あの番組面白いー!」というくらい人気の番組だ。


さまぁ~ずの三村マサカズ(左)と大竹一樹
さまぁ~ずの三村マサカズ(左)と大竹一樹

 今回の収録でご一緒したのは、もちろんさまぁ~ずさん(三村マサカズさん、大竹一樹さん)、アンジャッシュの児嶋一哉さん、チャンカワイさん、じゅんいちダビッドソンさん、伊藤千凪海さんだった。

 この出演者の方たちに自由形と背泳ぎを教えた。私が現役時代に専門としていた種目だから、教えることは抵抗なく、とても楽しく行えた。

 さまぁ~ずさんの飲み込みの早さはびっくりするものだった。やっぱり、多くの現場を経験し、あのレベルまで行く芸人さんは「ただものではない」と心から思った。「肩甲骨を‥」などと説明すると、すぐ感覚でわかり実践する。じゅんいちさんも、「ここの手見ていてもらっていいですか?」などと、カメラが回っていないときも、熱心に質問して頂いた。

 自らのパフォーマンスのため、貪欲に向上心を持っていることをあらためて実感し、自分も日々の仕事ぶりを考えさせられる時間になった。


 収録の最後に迎えたのは、泳ぎの対決だった。

 さてここが私にとって「すごく悔しい」パートになった。

 最近はリフレッシュや指導のために、プールで泳いでいる。

 泳いでいると言っても、週1回1000メートルくらいだから、現役の時の距離とは全く比べものにならないくらい、泳いでいない。競泳のトップ選手は通常の練習期、1日6000~8000メートルくらいを泳ぐ。1日2回練習のときもあるから、相当な距離を泳いでいる。

 私は2012年ロンドンオリンピック後に引退した。早5年がたった今もこのようなお仕事を頂けるのはとてもとても光栄なことだ。

 しかし、自分が人生を懸けて戦ってきた水泳の勝負は譲れない! そんな気持ちだった。内容は、100メートル自由形対決。私は1人で100メートルを泳ぎ、さまぁ~ずさんチームは25メートルずつ4人のリレー。メンバーは、さまぁ~ずさん、じゅんいちさん、伊藤千凪海さんだった。


 いざ対決!

 本気を出して泳いだ。

 ちなみに、メンバーの伊藤千凪海さんは、現役時代一緒に練習したこともある後輩だ。つまり、選手だった。さらにじゅんいちさんは元水球選手で、とてもとても泳ぎが素晴らしかった。


じゅんいちダビッドソン
じゅんいちダビッドソン

 ひと言で言えば「悔しかった」。

 負けてしまったのだ。正直、久々に足が痛くなるくらい真剣に泳いだが、あのメンバーには勝てなかった。

 みなさん、ただものではない!そう感じたし、「根性が座っている」とも心から思った。

 たまには、真剣に泳ぐのも悪くない。

 負けても、一緒に一生懸命泳ぐことができて、水泳っていいなとあらためて思った。また、番組を通じてスポーツの可能性を多く感じた時間になった。

 今回は、さまぁ~ずさん始め、ご一緒した芸人さんの仕事をする姿勢に心を打たれた。「人を笑わせる」このプロフェッショナルなビジョンがあるからこそだと理解した。


 私もキャリアのビジョンにコミットした仕事をこれからもしていきたいと心に誓った時間にもなった。

 本当にありがとうございました!

(伊藤華英=北京、ロンドン五輪競泳代表)