今月12日に開催された日本オリンピック委員会(JOC)主催の「オリンピックデーラン富士吉田大会」。このイベントは毎年さまざまな場所で開催されており、私も数年ぶりに参加した。

これは6月23日の「オリンピックデー」を記念して開催されている。日本だけではなく、全世界で行われているイベントの1つ。2キロ~4キロのジョギングやウォーキングを中心としており、誰もが参加しやすい内容となっている。

オリンピック選手と一緒に走ることにより、スポーツの楽しさとオリンピックの基本精神の理解を促すことを目的としている。

オリンピックデーのイベントで走る子供たち
オリンピックデーのイベントで走る子供たち

会場には子供から大人までたくさんの参加者が集まり、11名のオリンピアンと共に触れ合いながらスポーツを楽しんだ。

早朝から始まったイベント。会場となった富士北麓公園は、富士山が一望できる自然あふれた場所だった。日に日に寒さも厳しくなるこの季節。当日もダウンやホッカイロが準備されるほどの寒さだった。しかし、元気いっぱいの子供たちにとっては寒さなど関係ない。私たちが会場に入る頃には、半袖になって楽しんでいた。

大きなグラウンドには、オリンピック実施競技体験エリアがいくつも設置されていた。今回は、バスケ、走幅跳、野球、ラグビーの4競技。

オリンピックデーのイベントに集結した元オリンピック選手たち。前列右から2人目が筆者
オリンピックデーのイベントに集結した元オリンピック選手たち。前列右から2人目が筆者

私たちも各エリアを回り、参加者と共に様々な競技を体験した。私は水着1枚で戦う競技だったがゆえに、ボールなどを扱うのは大の苦手。ドリブルでのぎこちない動きは、見られるのが恥ずかしいほどだった。

1つの競技を極めたアスリートはスポーツ万能に見られがちだ。しかし、そうではない。どのアスリートも自分のやってきた競技以外は初心者同様。間近でそれを見た子供たちには、逆に親近感を持ってもらえたのではないかと思っている。

ジョギング後に行われた50メートル競走では、子供たちとアスリートがガチンコ対決。昔から短距離は得意だった。競技を引退して6年。それでも気持ちだけは負けず嫌いのアスリートのままだ。子供相手にゴールめがけて本気で走った。しかし、子供の足の速いこと! 自分の衰えと小学生の足の速さを痛感させられる結果となった。

本気でダッシュをしたのは現役以来。何とかケガだけは免れたが、次の日にはしっかりと筋肉痛になった。

イベントもいよいよ終盤。最後に行われたオリンピアン全員でのトークショーでは、五輪での思い出や各競技の裏話など、面白くも貴重な話をたくさん聞くことができた。その他にも、グッズの抽選会やサイン会、オリンピアンとの写真撮影会などもあって終始、大盛り上がり。この1日だけでも、参加者たちはオリンピックがより身近に感じられたのではないだろうか。

そして今回は、私にとっても素敵な出来事があった。陸上で12年のロンドン大会に出場した佐野夢加さんとの再会だ。オリンピック開催期間中は、選手村近くに日本選手団のためのリハビリ施設が設置される。出会いは、そこの温冷交代浴で一緒になったのがきっかけだった。たった1回のあの数分の出来事をお互いに覚えていたことがとてもうれしかった。当時の懐かしい思い出話に花が咲き、一気に選手時代にタイムスリップした気分だった。

12年ロンドン五輪での温冷交代浴。左が筆者
12年ロンドン五輪での温冷交代浴。左が筆者

今では同じ2児の母。会話は子育てに変わったことも感慨深かった。

スポーツは人と人とを繋げる素晴らしいツールの1つだ。今後もこのようなイベントがたくさん開催され、多くの方々がスポーツを身近に感じられる環境になってくれればと願っている。(中川真依=北京、ロンドン五輪代表)