<自転車:ツール・ド・フランス>◇第19ステージ◇25日◇モーブルゲ・ペイ・デュ・バル・ダドゥール〜ベルジュラック◇208・5キロ
ラムナス・ナバルダウスカス(リトアニア=ガーミン・シャープ)が逃げ切りで雨となったステージを制した。ビンチェンツォ・ニバリ(イタリア=アスタナ)はトップから7秒遅れのメーン集団の24位でゴールし、マイヨジョーヌ(総合1位)を守った。
この日はガーミン・シャープが積極的に動いた。5人の逃げ集団から飛び出し、単独で逃げていたトムイェルト・スラフトール(オランダ=ガーミン・シャープ)は残り13キロでつかまったが、代わってアレックス・ハウズ(米国=ガーミン・シャープ)に好位置まで引き上げられたナバルダウスカスが残り11・5キロで抜け出し、残り3キロで20秒の差をつけた。直後にメーン集団後方のペテル・サガン(スロバキア=キャノンデール)らがクラッシュしたが、大事には至らなかった。
ナバルダウスカスは最後の直線で激しく迫る後方のメーン集団の位置を2度振り返って確認し、勝利を確信。投げキスから両手を天に突き上げてフィニッシュラインを通過した。
単独ではリトアニア選手としてツール初勝利を挙げたナバルダウスカスは「全力を尽くした。チームメートが自分のためにハードワークをしてくれた」と話した。また、第15ステージではチームメートのジャック・バウアー(ニュージーランド)がゴール寸前で涙を飲んでおり、「ジャックと同じ目には遭いたくなかった。最後の10メートルで振り返るのは怖かった」と続けた。
メーン集団は7秒差でゴールし、2位にジョン・デゲンコルブ(ドイツ=ジャイアント・シマノ)、3位にはアレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー=カチューシャ)が入った。
新城幸也(ヨーロッパカー)は3分10秒遅れの71位でゴールし、総合は2時間49分8秒遅れの63位。
総合争いはニバリが7分以上の大量リードを保っており、総合優勝はほぼ確実。このため、明日の個人タイムトライアル(54キロ)の焦点は2位争いとなった。2位ティボー・ピノ(フランス=FDJ.fr)と3位ジャンクリストフ・ペロー(フランス=AG2R)は13秒差、3位ペローと4位アレハンドロ・バルベルデ(スペイン=モビスター)は2秒差にひしめいており、ピノが「明日がツールで一番重要なステージだ」と言う通り、ここで表彰台の行方が決定する。スペインのタイムトライアル王者のバルベルデは「ピノとペローとは数秒差だし、2位を狙っている。明日はいい戦いになるだろう。ピノよりペローの方が強敵だ」と話した。