どーもです。今日紹介するのはキャロウェイのニューモデル「APEX」シリーズの「APEX PRO」アイアンです。連日紹介してきたキャロウェイのニューモデルシリーズも今日が最後になります。先代「APEXPRO (2019)」アイアンは「APEX(頂点)」の名の通り球の上がりやすさがありつつ、操作性も意識したモデルでしたが、振り返ってみると、ボク的にはロフト角に対して飛び過ぎていたような気もします。この手のアイアンは、飛び過ぎても良くないかもしれないと思うのはボクだけでしょうか? というわけではニューモデルはどんな感じになったのか。早速、いってみましょう。


まずは見た目から。


先代とは全くの別モノで、そもそものコンセプトから見直したのかなと思わせる見た目でした。そして、なんとなんと、中空構造なんだとか!! これ、実際に打った後に分かったのですが、打った後でも信じられないほど軟鉄鍛造アイアンの打感ですわ~!!

フェースはコンパクト。さすが“プロ”をうたうだけのオーラを感じますね。形状的には、先代と大きな変更はなさそうです。「APEX」と比べると、トゥ・ヒール方向にコンパクトでした。

ソール幅は狭過ぎず、広過ぎずといった感じ。ダウンブローに打ち込んでも、気持ち手前から入っても滑ってくれそうな感じかな。「APEX」のような丸みはなく、ソール幅はネックからトゥまで変わらないのも違うところでした。

ネックはほぼストレート。軽くグースが入っているような感じですが、3モデルの中では、確実にオフセットが最も少ないモデルです。

構えてみるとこんな感じ。コンパクトかトップブレードも薄めですね。「ホントに中空構造なの?」と疑いの目を向けたくなる見た目でした。

今回試打したのは、スチールシャフト「ダイナミックゴールド」S200フレックス装着モデルの#7。スペックは、ロフト角33度、ライ角62度、長さ37インチ、総重量447g、バランスD3。シャフトスペックは、重量129g、トルク未発表、元調子。

試打会場は東京・メトログリーン東陽町、ボールはブリヂストンゴルフのレンジ用2ピースボール使用です。


持ってみた感覚ですが、さすがにやや重めにも感じましたが、まあ、振れないわけではなさそうです。でも、18H通してとなると、今となってはちょっときついかもしれませんね。グリップの太さはまずまずで、「APEX」「APEX DCB」とほぼ同じイメージ。スチールシャフトにつき手でしならせてはいませんが、DG育ちのボクとしては慣れ親しんだ懐かしい振り感でした。


実際に打ってみると、さすが“プロ”の名を冠するだけあって、シビアな面もあります。打点、スイング軌道の変化が出球に直結するシビアさがあって、打ち出し方向、打ち出し角にバラツキが出ていました。唯一変わらないのはフック軌道だけ(苦笑)。「APEX」でも書きましたが、先代には、ある意味“飛び過ぎ”のイメージもありました。これは「APEX PRO」でも同様で、ロフト角33度で3球平均約175yはボクの中では飛び過ぎ。でもニューモデルの161yは、ボクにとっては適性距離です。今のボクがこのままアイアンを変えても、タテの距離に関しては違和感なく使えそうなモデルでした。って、ボクに合いそうなのはそこだけなんですけどね。でも、「球が上がりやすい」という点においては、扱いやすいアイアンです。球の上がりやすさはクラブが助けてくれるけど、出球はスイングの善し悪しで決まるシビアさがあります。そういう意味では、今よりもうまくなりたいと考える方にとっていいかもしれませんね。


スカイトラックの弾道データはこんな感じで

その各球データはこちら。

【3球平均】

HS37.9m/s、初速46.0m/s、打ち出し角19.4度、バックスピン量4193.6rpm、サイドスピン-1089.3rpm、飛距離161.0y

【ベスト】

HS36.1m/s、初速46.2m/s、打ち出し角20.3度、バックスピン量4211.5rpm、サイドスピン-1107.5rpm、飛距離161.9y


打感はマイルド。そうそう、中空構造ですが、全く気付きません。そう言われて打っても「本当に!?」と思ってしまうほど、いわゆる軟鉄鍛造モデルとの違いが分かりませんでした。音も澄んだシャッター音で、中高音でした。


弾道はこんな感じで


そのスカイトラックデータはこんな感じです。

弾道的には高弾道ですね。“プロ”モデルですが、球の上がりやすさはとても“プロ”モデルらしからぬお助け感があります。スピン量はロフト角を考えると少なめ。低重心であることは間違いないとは思いますが、中空構造の影響もあるのかな!? いずれにせよ、ロフト角に対してスピン量は少なめでした。


出球傾向は、ボクのスイングでやや強めのドロー系。小振りな分重心距離が短めで、つかまりはいいですね。スイングに対するシビアな反応もあって、普段スライスで打てないボクでも、意識してスライスが打てる操作性がります。でも、その分怖いのが、意図しないスイングミスですね。その辺のシビアさが“プロ”モデルたる由縁でしょう。


振り感およびシャフトフィーリングですが、DG育ちのボクにとっては懐かしいフィーリングですが、昔ほど切り返し時に手元のしなり感を感じられません。これがボクの歳によるものなのか、それともシャフト自体によるものなのかは不明ですw 


今回ボクが試打した限りで、このスペック最低はHS43~44m/sは欲しい感じ。少なくともこ重量を振り切れることが最低条件になると思います。最近は軽量モデルが増えているような気もしているので…。その上で、スイングのちょっとした違いが出球に直結するシビアさもあるので、その辺を覚悟の上で手にすべきモデルかなと思います。“プロ”の名はダテではないですね。でも、球はしっかり上がるので、その意味での扱いやすさはあると思います。アベ80台で回れるレベルの方が、今よりもステップアップしたい時の相棒にピッタリかもしれません。

<キャロウェイ「APEX PRO (2021)」アイアン>

■KAZ’sインプレッション(10点満点)

▽飛距離:8▽上がりやすさ:10▽操作性:9▽構えやすさ:9▽打感の柔らかさ:9▽ミスの許容度:8

■ヘッド:ボディ【#4~#7】=軟鉄+マイクロ・ウレタンスフィア+タングステン・インナーウエート、【#8~PW】=軟鉄。フェース=17-4ステンレススチール

■シャフト(重量/トルク/調子):「ダイナミックゴールド」(S200=129g/未発表/元調子)、「NSPRO MODUS3 TOUR105」(S=106.5g/1.7/中元調子)。

■価格:6本(#5~PW)セット14万4000円+税、単品(#4)1本2万4000円+税。