菊地絵理香(27=オンワードHD)が、盤石のプレーで逃げ切り優勝を飾った。

 2位と3打差でスタートした最終日、1番パー4でアプローチが決まらずいきなりボギーをたたいたが「あれで緊張感が高まった」と、9番で12メートルを沈めるなど、アウトで2つスコアを伸ばした。終盤16番では3メートルのフック&スライスというスネークラインを沈め、同じ最終組だった鈴木、申ジエにとどめを刺した。

 シーズン開幕からパットに悩み、先週のヤマハレディースではどん底に。しかし、シャフトの軟らかいパターを練習で使ってストロークのリズムを修正したり、先週の大会でアマチュア勝みなみのパットを参考にするなど、工夫を凝らしてきた。そして今大会第1日の朝には、思わぬ反面教師に出会った。

 「わかるなあ、と思いました。私もショートパットに悩みがあるし…。でも、私の悩みなんてたいしたことないなって思いました」

 目覚めて、テレビをつけるとマスターズ中継だった。そこに出てきたのは、メジャー4勝を誇るアーニー・エルスがまさかの6パットをする姿だった。

 大会新の最多アンダーパー記録、通算14アンダー。15日には初のディフェンディング大会KKT杯バンテリンレディースが始まるが、初優勝から丸1年寸前に待望の2勝目を手にした。今季の目標は「国内メジャーを含む2勝以上」と「自己ベストの賞金ランク8位の更新」。昨季、圧倒的な強さで賞金女王となったイ・ボミや、この日同組だった元世界ランク1位申ジエは、同じ27歳だ。

 「周りは『どうせジエが追い上げて逆転勝ちするんだろう』と思っていたけど、それをさせずに良かった。ボミも体格が変わらないんだから、言い訳できません。もちろん勝ちたい。(女王争いも)最後まで日本勢か、韓国勢かわからない戦いをしなきゃいけないと思っています」。3年ぶりの日本人女王戴冠へ、堂々と参戦を表明して見せた。