会場内では「プロゴルファー・全国植樹祭応援プロジェクト」の募金活動が行われ、この日は大会アンバサダーでもある高橋竜彦(43)と、高橋の妻でキャディーを務める女子プロ牛渡葉月がPRを行った。来春に福島県が復興のシンボル事業として開催する全国植樹祭を後押しするもの。

 牛渡の実家は福島・南相馬市で、福岡県出身の高橋は福島を「第2の故郷」と話す。東日本大震災から6年たったが、「福岡や熊本でも災害があって、福島は原発の問題もあるので10年、20年(単位)の話じゃなく、もっともっと時間がかかる話」と高橋。牛渡の実家も普通の生活を取り戻しつつあるというが、「見える景色は変わった」。震災前は4キロ先の海があまり見えなかったが、その前にあった松林や建物が津波にさらわれ、海が間近に見えるようになったほどという。

 本大会は東北で唯一の男子ツアーで、東北の復興を願って14年から始まった。「できるだけこの大会を盛り上げて、1年でも長く開催できるように」と高橋は使命感を持つ。同時に大会アンバサダーを務める縁もあって、今年から大会スポンサーでもある県内のバス会社「浜通り交通」に所属することになった。

 この日の高橋のラウンドは前半34も後半38のパープレーで「後半はバタバタしてしまって」と照れ笑いした。17番までで通算3アンダーと予選落ちの危機も、18番パー5で第3打をピンそば1・5メートルにつけてバーディーを奪い、42位で予選通過。この日が誕生日だった牛渡も「いい誕生日プレゼントをもらいました。明日からも頑張ってサポートします」と笑顔を見せた。