【シンガポール=高田文太】アジアンツアーと共催の20年日本男子ツアー開幕戦で、木下稜介(28=ハートランド)が日本人トップの6位に入り、全英オープン(7月16日開幕、ロイヤルセントジョージズ)出場権を獲得した。

4バーディー、ボギーなしの67で回り、通算11アンダーの273。4日間観戦した、10歳から幼なじみの交際相手と、初のメジャー出場の喜びを分かち合った。通算18アンダーのマット・クーチャー(米国)が優勝した。

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最終18番をバーディーで締めた木下は、大歓声に帽子を取って応えた。17番は10メートルのバーディーパットを沈めてガッツポーズ。終盤の勝負強さで上位4人(有資格者を除く)に与えられる全英オープンの切符をつかんだ。前半も7番(パー5)の第2打は「あとボール3個分で海に落ちていた」と、奇跡的に平らな石の上でボールが止まりパーセーブ。運も味方に「20代でメジャーに出たかったのでうれしい。今年の目標はでっかく賞金王」と声を弾ませた。

同い年の幼なじみで、交際相手の嶋田理穂さんが4日間、全ホールを歩いて同行し、応援していた。理穂さんとはゴルフスクールが同じで初対面は10歳。大学3年時に同スクールのOB会で再会後に交際を始めて7年だが、木下は「食事のことも考えてくれるし、ゴルファーの気持ちを理解してくれる」と内助の功に感謝。看護師の理穂さんは今回、1週間休暇を取り、全英も「休みを取って行きたいです」という。全英オープン第1日が誕生日の木下は「結婚は全英で勝ったら」と話す。ツアー未勝利だけに、苦労をかけさせたくない照れ隠しだが「出るだけで終わらない」。サプライズにも色気を見せていた。

◆木下稜介(きのした・りょうすけ)1991年(平3)7月16日、奈良県生まれ。10歳でゴルフを始める。香川西高(現四国学院大香川西高)3年時に全国高校選手権で2位。大阪学院大4年時に朝日杯日本学生選手権優勝。14年にプロデビューし、同年のダンロップ・スリクソン福島オープン2位。18年に下部のAbemaTVツアーで初優勝。174センチ、75キロ。